青山田歩歩
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令和六年 一月から始めました。
宜しくお願い致します。

旅先の ここに住みたいマジックも家戻る頃 徐々に解けゆく
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炎昼にジョギング続けし青年よ 走る意味より命脈大事ぞ
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金言も耳にて聞けばすぐ流る 字面じづらで読めば心に留とど
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スマートな つばめ羨む鳩の居て 地上の鳩に憧るつばめも
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ゴザ敷きて 童女ら飽きず ままごとす けや木の木陰 昭和の夏の日
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結界に皆が一礼鳥居下 そこに猫寝る旅のひとこま
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人乗らぬ鵜飼いの木船隠す如ごと ふうわり立ち込む白し川霧
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吾解せぬ 歌人の難し文言を検索せしば ほぉと声出る
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本堂の法要さぞかし暑かろと うちわ配りぬ住職も汗
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趣味持とう 気が滅入る日は外出よう 真顔で語る女子会の昼
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無防備に夏陽を受けしバスケの子 水筒だけを木陰に置きて
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青蔦あおつたの茂る空き家に残されし白きボールに七月の雨
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朝涼の風を巡らす家中に ほんの束の間夏が薄れし
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この時期の川縁かわべり散歩は魔の道よ へびよなぜ今 目の前横切る
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園児らに 先生笑っておはようと 園庭プールに水はりながら
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とし重ね 親への想いふつふつと 遠慮信じた浅薄な吾
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物覚え悪くなりても外つ国とつくにの目に入る様を今も忘れじ
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亡母はは言ひし 齢をとらんとわからんよ 解ってきたよ痛みも不安も
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悠々の空に線引く飛行機雲 徐々にほどけし青に溶けゆく
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菩提寺ぼだいじの歴史を知るや夏木立 夏の祭りを静かに待ちをり
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目凝らすも短歌うたのたねは見当たらず縦に降る雨 目を霞かすませり
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勇気出し一人カラオケ行った友 小さな一歩に拍手送るよ
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ドローンより湿原撮うつす画像見てシカの群れ追ふ吾も鳥なり
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寺街道お地蔵様の名言を神妙に読む若者の居り
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滝落つる自然歩道下滝カフェのあじさいに降るしぶきや優し
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梅雨晴れに草引く隣人玉の汗庭木の陰に夏帽子揺れ
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喫茶店御婦人の声よく通り回りの客も身の上を聞く
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トトロ来るトンネルのごと緑道に はらり落ちくる病葉わくらば赤し
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亡家族かぞく居た土間と縁側在りし家夢でもひととき戻りてみたし
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鳥歌ひ魚は泳ぐ思ふまま我ら持ちたし自由と平和
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