青山田歩歩
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令和六年 一月から始めました。
宜しくお願い致します。

いつもなら挨拶の無き昼散歩 バイバイくれし幼子おさなごとママ
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連れ合いは ラインも一言 。も無し Z世代とうそぶいており
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窓開けし 始発電車の踏切音聞こゆる朝や 夏近づきぬ
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恋の歌 詠む人誰も悩みおり結果オーライ 吾には眩し
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雪解けの水は大河へとうとうと 夏色浅し白きアルプス
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鮎釣果 一番大きを届け来た 日焼けの亡兄あにの 笑み想ふ夏
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父子いて 水切り石で遊びおり 息子すぐ飽き 父少年になり
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映画館 エスケープらしサラリーマン 猿の惑星に三人見っけ
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友に会ひ お互いエ~ルを交換す 若き時より本気の本気で
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勝負時 中途半端な鎧着て戦ふ善人は槍やりも短し
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水鏡 若葉緑に空の青 浮き鳥黒く五月を写しぬ
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若き日の宴の時は過日なり 寂しさの裏自由を得たり
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山駅舎 待ち合い隅の招き猫 左手上げて人来るを待つ
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人生に まさか の坂は幾つほど 解っておれば準備できるに
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入母屋いりもやに被さるほどの大もみじ 谷風に揺れ屋根を掃きおり
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誰にでも短歌うたに詠み癖あるらしき 確かに吾もと腹に落ちたり
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草いきれ匂い立ちこむ畑にて 草刈る夫は夏を覚悟す
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野鳥より種子落とされし林道の 山苔やまごけの間に小樹の生えたり
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庭出でて果樹の花見る幸せを 心に留めたし気持ち落ちる日
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渓谷を白波立てて船の往く 谷は知るまい空の広さを
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公園でアイドル真似て踊る少女等 弾ける笑みに吹く若葉風
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酒蔵の多めの試飲に舌笑ふ ほろ酔ふ初夏の緑の杉玉
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屋久島行き フェリーの長き四時間は 悠久杉の刹那の一欠片ひとかけ
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特売日珈琲チケット二冊買ふ 知る人来ない安らぎの場所
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実家来て妻母嫁の荷を降ろす しばし娘は子供に戻りぬ
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独学の拙つたなき短歌うたにチリリンと鈴鳴る喜び幾つになりても
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山門をくぐりて涼し青もみじ 夏袈裟けさの坊様 暑さ嘆きし
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線路わき 種こぼれ咲く桜草 風圧を薫風とし咲く花強し
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人里を離れし洒落しゃれた森カフェは 鳥鳴く声もこじゃれて聞こゆ
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東風こちに揺れ葉擦れの音のさらさらと 木洩れ陽まぶし夏の始まり
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