チョコレートミントアイスクリーム
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わからないなりにやっております。

火星宛ネオンサインでSOS 東京新宿歌舞伎町より
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紫陽花を育てるためにカタバミの花は咲かないまま朽ちてゆく
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フィルターをかけたような空遠い星 あれは前世のわたしの故郷
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五月雨がなにもかもを流し去る 手紙も声もだれかの恋も
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半分が植物だったハンバーグが動物になるいのちの連鎖
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せわしないビールの泡がきえてゆく こつんこつんと乾杯のよう
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早すぎた海の風を切符にして君に会いたい季節になったよ
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延々とくりかえしてる警笛の音がなりやまぬあの日を
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輪郭の延長線にある皮膚をちがう温度の皮膚でふさいで
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つなぎめを探して迷うゆびさきがリネンと皮膚のあいだをすべる
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生まれてきてしまった 染色体だけで不利だといわれる生きてるだけで
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神様になれなかったよ 紙束を半分にしてはにかむ涙
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ひらけごまかいわすれたけどもういいよとベッドに誘う三十六度
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脚だけで歩いてゆこう 自転車も車もいらない 空を見ながら
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夜になる 揚げ鶏になるはずだった バットのなかの淡い願望
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わかってる オリーブオイルが辛いこと 乳化しすぎたパスタはまずい
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二百円シャキシャキれんこんきんぴらに影すら知らぬ曽祖母を見る
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鉛筆と紙があるなら神様で天地を開闢しているさなか
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希求した百ページすぎの紙の束 この本棚では窮屈だった
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まだ青い田畑も草も水鳥も稲穂も虫も夏を待ち侘び
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だまされたみたいな空の色だから世界はうそつきばかりなんだろ
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ゆびをふるそれでも魔法は起きないがきみがわらってくれるからいい
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うしなった天使の声は初恋をブラックコーヒーみたいと言った
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手袋をはずしたあなたのゆびさきが蛍光色であることを願う
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いつのまに天使だったのそんな羽あんまり似合ってないんじゃないの
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風すらも味方につけるこの翼どこまで翔んでゆけるのだろう
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夜風より自由な夏服どこまでもゆけるきがしたサンダルはいて
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たまねぎを切ってないのにどうしたの なにが心のきずに沁みるの
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あたらしき季節を迎えるそれだけのことが当たり前ではないということ
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ひだまりに愛された犬 やわらかなまなざしの犬 大好きな犬
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