浮枯草
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令和八年(二〇二六年)三月廿四日ゟ
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春秋も知らぬ常盤(ときは)の山隠れ花も紅葉も見ずは長閑(のど)けし
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月も無き闇夜にひとつ声ぞする寝言云ふらし人めくうぐいす
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などてかは春の夜風にふりにふる花と過ぎにし月日追ふわれ
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戻らばや花かんざしの童女(わらはめ)の姿包みし春の夕暮れ
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鳥の歌いつしかやみて花寒に空の涙の音のみぞする
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古(いにし)へのひじり食(は)むてふ春霞憂き世をよそに山にみちたり
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奥山の菅の根しのぎ降る雪の消(け)ぬる春にも君のあらなく
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思はでも過ぐせるものをなかなかに面影追ひ来(く)春の夜の月
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笑みながら刺す薔薇や知る女々しくもなれぬ女のさだめてふもの
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萎るるを知らず散りたき桜花散り敷くものは涙なりけり
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藪椿水仙榊水芭蕉群るるが常の地を這へ一匹
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春霞立つ雪の辺の道しるべ来よと振る振る狐の尻尾
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告げよ春 この世は冬の幻と 河原の石売るほどのかひ無く(つげ義春逝く)
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冬ごもり春日を待たず去(い)にけるを惜しと云はぬが華の枯人(かれびと)
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生まれ落つ憂しと云ひつつ泡沫の浮世に生まれ返る愚かさ
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