浮枯草
0
4
投稿数
24

令和八年(二〇二六年)三月廿四日ゟ

ははそ葉の母に似げなき言の葉に置くかひやある露の涙も
7
侵さるる前に侵すと皆言はば幾許いくばくも無し風の前の塵
14
けふは花あすは緑とめぐれども朽ちてゆき散る方さへ知らず
9
竹のこの憂きふし繁きよりぞゆるがし出だす明けのうぐいす
7
過ぎにける月日を忍び藤浪のまつはる思ひ沈めもぞする
14
山にふるうどを好める山羊を見てめみきや古への人
9
ひよどりの鳴くも変はる山裾は誰を惜しむか藤衣着る
18
ながらひもこそすれ何を三枝さきくささきくを願ふ修羅のちまた
14
紫の雨降りめて幾年いくとせか彼逝きし日はあかねさしつつ(四月二十一日プリンス命日)
14
春秋も知らぬ常盤ときはの山隠れ花も紅葉も見ずは長閑のどけし
17
月も無き闇夜にひとつ声ぞする寝言云ふらし人めくうぐいす
16
などてかは春の夜風にふりにふる花と過ぎにし月日追ふわれ
11
戻らばや花かんざしの童女わらはめの姿包みし春の夕暮れ
16
鳥の歌いつしかやみて花寒に空の涙の音のみぞする
17
いにしへのひじりむてふ春霞憂き世をよそに山にみちたり
18
奥山の菅の根しのぎ降る雪のぬる春にも君のあらなく
12
思はでも過ぐせるものをなかなかに面影追ひ春の夜の月
13
笑みながら刺す薔薇や知る女々しくもなれぬ女のさだめてふもの
10
萎るるを知らず散りたき桜花散り敷くものは涙なりけり
12
藪椿水仙榊水芭蕉群るるが常の地を這へ一匹
13
春霞立つ雪の辺の道しるべ来よと振る振る狐の尻尾
15
告げよ春 この世は冬の幻と 河原の石売るほどのかひ無く(つげ義春逝く)
16
冬ごもり春日を待たずにけるを惜しと云はぬが華の枯人かれびと
14
生まれ落つ憂しと云ひつつ泡沫の浮世に生まれ返る愚かさ
12