らいおん
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白木蓮の重なりに逝きし人の面(おもて)映りて 澄みたる彩(いろ)に心鎮まりぬ 
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朝方の夢に追われて庭に出ず 一叢(ひとむら)の水仙ありて呼吸(いき)ととのひぬ
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カレー鍋かき混ぜつつふと覗き見れば 混沌に踊らされし我の見ゆ             
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この身吹く風の音が聞こえる そうかそうなのか 友の逝きし夜
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深夜の稲妻 菜を刻む刃先に落ち 雨は胸に川と流るる
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桜メール既読つかぬまま去年(こぞ)の春  長き空(くう)の胸に桜(はな)や咲くらん    
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夜更けて車椅子より手を伸ばし 彼岸の夫(つま)の裾に触れけり            
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スマホ繰る指先より伸びし糸 地球の裏の愚痴を手繰りて
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すれ違う人みなマスク 顔かくし心隠して己閉じ込め       
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呑み込んでしまいたい香りの壺 あのひと わたしに気づくかしら
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物陰の沈丁花憐れむにあたらず その香りの主張 我と違い(たが)て               
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