Utakata
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らいおん
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山の蔭蒼く重なる懐に一本の桜淡く
雪洞
(
ぼんぼり
)
のごと
19
2
時間余の眠りにて飛んでイスタンブール目覚めれば晴天あさひ眩し
15
降り止まぬ雨を味方にデイ拒む 義母を抱える私の胸にも雨
19
花筏かたち変えつつ揺れゆれて
誰
(
たれ
)
か棹さし運ぶ泡沫の夢
21
膝抱え床の中にて胎児の形 ゆるり流れる刻を食みつつ
25
バッグ抱えデイの窓辺貼り付く義母に くるり背を向け気づかぬ振りを
21
数十人を巻き込みし
亡母
(
はは
)
の
四月一日
(
エイプリルフール
)
仰天の遺伝子我に有りや
15
疼く歯に目覚めし
朝
(
あした
)
雨音いよよ激しく君は今日手術台へ
13
逢いたさは時として胸を噛み
瞼裏
(
まなうら
)
に彼岸の桜愛でる君の映りぬ/友の命日に
15
林檎の真ん中射抜くごと詰られて わかってる恥じているよと胸の内で/其の二
9
真ん中を射てしまうのは怖くて 少しズレてる自分を装う/其の一
15
夜更けて臥したる義母の爪を切る 欠片はカサと紙に落ち音は
静寂
(
しじま
)
に落つるなり/間違え🙇
12
老いて老うまま生きんとすれど 足掻く心は未だおさめ難し
21
廃屋をなお護る者たちのあり 庭の樹も草も逝きし人々の想いも
15
積み重なった悔いの層一枚づつ剥がしてくれるのは 子の笑顔ありがとうのひとこと
15
木立打つ雨音枕辺に迫り 澱みたる悔いの念立ち現れたり
14
洗顔の泡を
拭
(
ぬぐ
)
いてふと見れば 母と見紛う顔ありてじっと見つめぬ
20
列島開花
桜の
(
はな
)
扉が開かれてピンクのニンフが駆けめぐる 見落とさないで私も待ってる
10
満艦飾の衣着て新船ひと吠えす 三十年振りの壽ぎに児らも集いて
12
白木蓮の重なりに逝きし人の
面
(
おもて
)
映りて 澄みたる
彩
(
いろ
)
に心鎮まりぬ
19
朝方の夢に追われて庭に出ず
一叢
(
ひとむら
)
の水仙ありて
呼吸
(
いき
)
ととのひぬ
15
カレー鍋かき混ぜつつふと覗き見れば 混沌に踊らされし我の見ゆ
12
この身吹く風の音が聞こえる そうかそうなのか 友の逝きし夜
17
深夜の稲妻 菜を刻む刃先に落ち 雨は胸に川と流るる
11
桜メール既読つかぬまま
去年
(
こぞ
)
の春 長き
空
(
くう
)
の胸に
桜
(
はな
)
や咲くらん
13
夜更けて車椅子より手を伸ばし 彼岸の
夫
(
つま
)
の裾に触れけり
12
スマホ繰る指先より伸びし糸 地球の裏の愚痴を手繰りて
15
すれ違う人みなマスク 顔かくし心隠して己閉じ込め
17
呑み込んでしまいたい香りの壺 あのひと わたしに気づくかしら
8
物陰の沈丁花憐れむにあたらず その香りの主張 我と
違い
(
たが
)
て
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