らいおん
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眼の先に花びら舞うや風なきに 番いの黄蝶か つかず離れず
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老桜(おいざくら)の隣にありて若き木や 翠(みどり)燃え立て刻を急(せ)くなり
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黒焦げの鍋並べ嫁の粗相と訴うる 記憶に抗うその声哀し
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おめでとうと薔薇の花籠届けられ 一年の幸(さち)約束さるる
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逃げ逃げて此処まで来たり桜樹のもと 涙拭いし桜花(はな)の褥に
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星淡き夜ジャスミンの香り立ち 見知らぬ世から誘う声のして
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蒼天に奇っ怪なる構造物並び 発電騙り宇宙と交信するや
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階段を下りる膝の痩せ ひと足ごと吐(つ)く息にせめて短歌(うた)を乗せんと
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あしひきの山切れるところ古屋連なり 日入る海に雪崩れん如し
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門口に座布団積みて哄笑(わら)う女(ひと) ズレた軸に手添えなきを悔ゆ
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夫と私同じ表情(かお)して交わす一言オオタニサン 今日の天気や如何ならん
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山の蔭蒼く重なる懐に一本の桜淡く雪洞(ぼんぼり)のごと
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2時間余の眠りにて飛んでイスタンブール目覚めれば晴天あさひ眩し
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降り止まぬ雨を味方にデイ拒む 義母を抱える私の胸にも雨
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花筏かたち変えつつ揺れゆれて 誰(たれ)か棹さし運ぶ泡沫の夢
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膝抱え床の中にて胎児の形 ゆるり流れる刻を食みつつ
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バッグ抱えデイの窓辺貼り付く義母に くるり背を向け気づかぬ振りを
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数十人を巻き込みし亡母(はは)の四月一日(エイプリルフール) 仰天の遺伝子我に有りや
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疼く歯に目覚めし朝(あした) 雨音いよよ激しく君は今日手術台へ
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逢いたさは時として胸を噛み 瞼裏(まなうら)に彼岸の桜愛でる君の映りぬ/友の命日に
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林檎の真ん中射抜くごと詰られて わかってる恥じているよと胸の内で/其の二     
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真ん中を射てしまうのは怖くて 少しズレてる自分を装う/其の一          
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夜更けて臥したる義母の爪を切る 欠片はカサと紙に落ち音は静寂(しじま)に落つるなり/間違え🙇  
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老いて老うまま生きんとすれど 足掻く心は未だおさめ難し
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廃屋をなお護る者たちのあり 庭の樹も草も逝きし人々の想いも
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積み重なった悔いの層一枚づつ剥がしてくれるのは 子の笑顔ありがとうのひとこと
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木立打つ雨音枕辺に迫り 澱みたる悔いの念立ち現れたり
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洗顔の泡を拭(ぬぐ)いてふと見れば 母と見紛う顔ありてじっと見つめぬ
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列島開花 桜の(はな)扉が開かれてピンクのニンフが駆けめぐる 見落とさないで私も待ってる
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満艦飾の衣着て新船ひと吠えす 三十年振りの壽ぎに児らも集いて
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