花子
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378
春雨の おぼろに霞む 山の端よ 朝の陽射すや  銀嶺の嶺 影さえ白く  
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降り積もる 雪に吸わるる 音もなし 霜柱踏みて待ち人来たる  氷雨窓打つ  
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春寒(はるさむ)に 悔いることなし おぼろ影 陽射し影朧 夢かうつつか
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春立ちて くれないもえる 枝垂れ梅   おぼろ月夜に夜の影朧 去ぬ後ろ影  
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滝つぼに 梅の花 散る 春の暮れ    残り香消ゆる  我が想いをも
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冬木立 しずくを纏う 雪時雨 風の織りなす 雪衣かな
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降り積もる 雪に吸わるる 音もなし 待ち人来たる 囲炉裏おこし 馬いななくや 春隣
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山深の 雪解川 岩を噛み 薄氷弾け 春を待つ 紅梅の一輪
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波がしら 引いては寄せて 泡となる 朝霧湧きて 磯小島映え 光さし 目覚むる海に 舟を出す 静寂(しじま)を抜けて 明日(あした)を拓かん
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茅葺きの 囲炉裏火弾け 寒さ返る   峠凍てつき 月影冴ゆる 独り酒酌む
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冬の朝 雫滴る 冬木立 霧吹き渡リ 樹つららの花
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冴ゆる空 月昇るかな 白妙の 雪降り積もり 雁富士渡る 
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風渡り  揺るる水面と  玉しぶき 陽炎のなか  消ゆるまぼろし 君の影 その影永遠に帰らじ
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風渡リ 水面揺るる 滝つぼの 陽炎立ちて 去ぬ後ろ影
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山静けし 白銀の舞い 冬木立 足跡絶えて 山の音(ね)寂しき
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一枝(ひとえだ)の 雪のこぼるる 静けしや  やまね( 山音)泣き濡れ 雁泣き落ちる
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天高く 凍てつき寂し 峠道 風の間に間に 粉雪吹雪く 一歩ひとりの 影法師
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冬晴れの 碧さに映える 樹つらら  雫したたり 白銀の玉
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宝剣の 群青切り裂く 雪の鉾 雪かぶる岳 ただ一筋の 雪の跡
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雲海の 引いては寄せて 嶺深く  御来光射し 我が魂(たま )震う
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冬の暮れ ともしび灯る 路地裏の 酒瓶重し 母待つ家の ともし影 近づきて 童泣き濡れて 夕餉の煙あたたかき
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風冴ゆる 岩うえ落ちる 雪解水 氷鏡映える 雪解の碧さかな
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春茜 雲海浮かぶ 霊峰よ 魂(こん)をさがすや 揺る影法師  
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雪吹雪 ゆらゆら揺れる かずら橋 凍つ風おろし 枯れ木は黙し 虹を待つ
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黄昏れの 夢を探して 幾千里  明日へと続く 光りを探す 明日を待つ間に 春の芽を知る
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地吹雪 枝垂れし寒の 紅椿  花舞い散るや くれない滲む
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しろい朝 霧吹き曝し 冬木立 射す陽浴びつつ 青芽吹き出し 息永らえる
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冬陽射し 山の背滑る 白煙 轟き消えて 嶺ぞ静けし 我が魂(たま)震う
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風薫る 香こぼれ散るや 枝垂れ梅   おぼろ月夜に夜の影朧
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風さやか 山(嶺)ねすずしや 夏盛り 陽炎立ちて  去(い)ぬ後ろ影
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