Utakata
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誰からも責められている蝉が鳴く声のごとくに無音の音だ
5
狼の出る森をゆく丸腰のわりには深く深くまで来た
7
針の山を飲み込む前のためらいのように眠れぬ夜があります
10
幾千の夜を乗り越え生きているだからどうってこともないです
6
皿を割る陶芸家にもなれそうだ何してもこれはしたいことじゃない
4
誰からも気に留められずに老いてゆく無闇にコーヒー何杯も飲む
6
軽石にきっと自分はなれないな軽んじられることが苦しい
3
こんな時あの人ならばどうするかあの人はこんなところに来ない
2
いつまでも続く命じゃないけれど金が惜しくて本が買えない
3
いにしえの少女漫画を読んでいるこの世界には携帯が無い
5
自らの作った銃で人を撃つそんな気力が羨ましくなる
2
すれ違う女に恋をし続ける俺は異常者なのかと怯える
2
日常を57577にするでもそれだけじゃ短歌じゃないよ
2
満員の電車で舌打ちされる夜おざなりな俺を思い出させる
2
少しずつ嫌な人間になるような気がして地滑り前の山肌
1
自らを生かすことだけ考えろお前に他人は高望みすぎる
1
暗闇の中で生活していますこれは全く比喩ではないです
5
洗濯と布団を干すだけで終わる日曜の夜に測るみのほど
4
小六のころの愛読書をいまも読んで感動する大人だぜ
8
人生は一度きりしかありません 知りつつ闇を手探りで這う
6
本当にやりたいことなど何もない箱の中には風だけが吹く
6
今自分がいる場所の幸せを説く自分の声を煙たがる自分
5
腎臓に負担がかかるんだそうですね ああそうですかと呑む導入剤
5
いま自分が生きていることの幸福を数えて数多の星が降る夜
6
手のひらにあなたのことが好きですと指で書かれる夢を見ました
7
起きていることがもともと普通じゃない目覚めて急いで眠剤を飲む
5
二度寝するあらゆる苦しみから逃れ冬眠の熊を妬ましく思う
5
重力の手が何本もわたくしの体を引いて水面が遠い
5
できるだけ大きく息をつきなさい固い結び目はハサミで切れよ
3
サンダルの指先にいつも見惚れてる小さい花があるのも見える
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