マンモス
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懐メロと妻子と友と時事ネタと仕事と酒と少しの孤独

まだ抱つこできるといふか持ち上げる十年一日ひとひといふこともなく
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呑んだとき「旨い」と云つた酒の名を刻むで求む義父誕生日
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出稼ぎや単身赴任や戦場でかぞくをおもふ男をおもふ
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有るものをつなぐ西から東へと俺は営業ひとのなか生く
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震えてる場合じゃないな同病が昇段審査を受けると聞けば
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芳醇な高級パンの香が満ちてポールのあまい歌声と合ふ
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イエローサブマリン描かれたエコバッグパンより先にディスプレイ見ゆ
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アビーロード歩く四人のシルエット看板語るオーナーの好き
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ビートルズのナンバー流れ宇都宮セレブパン屋に寄る同行日
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だれもゐない朝の工場闊歩するおのれひとりの冬であらねど
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好きな子がくれた塗り絵をに寄こす「きらわれたくないからもらつた」
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我が妻ををんなとおもふ寒の入り夜のとばりの窓をうつ風
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悪名が無名に勝る民主主義五十二パーは無関心にて
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声変わりかもしれないね十年後なにを語ろう成人の日に
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踊らされ踊りつかれた前橋のインター横で食ふカップそば
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子どもらのひとあし先に期が変わり一月決算出会いと別れ
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口元が映し出される手鏡に夕影は濃く濃くなりし髭
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口開けて良かつた歌を思ひだしこそぎ落され歯垢とともに
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即興で下ネタにして子は笑う「読み聞かせ」とはちがうな、これは
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読み違え一太歯ぎしり足元で小川ながれるせせら笑って
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先輩は遠き道ゆき年賀状ぼくの世界の中心はここ
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落ち込んでゐても平らぐドブ色の朝ラーメンに半ライスつけ
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投函のあとのまつりの息白くこはしたくなる郵便ポスト
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一文字の怖さをおもふ礼状の誤字指摘され電話をかける
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歌はのこり故郷のも初恋も利根とながるる豊受の春
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七草に青春のうた響きをりコントレイルはあをき空ゆく
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街中は不便になれり地方都市スターバックスばかり四つも
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対岸の火事とは云えず強国の誇張の論理ベネズエラ燃ゆ
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きのふの火事の場所を聞かれて答へれば「よかつたねぇ」に少しとまどふ
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年末の華やかさとはほどとほく正月四日の同じスーパー
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