Utakata
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紗里菜
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11年ぶりに短歌再開しました。新アララギで写生学んでいました。今は生まれつきの発達障害で、ぴかぴかの障害者として、働いています。
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挨拶に返事がないのを悩んでて学校やすんだ硝子の十代
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がたごとと揺れる電車がよびおこす母を選んだ胎児の記憶
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福袋の景品みたいながらくたが僕の所用に含まれている
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新しいノートに記す一文字はいつも大きく成長しない
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色分けをしているように路地裏を甘く匂わすくちなしの香
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削りたての鉛筆みたいに紫陽花の青がひきたつまっすぐな小雨
7
牧場の草むらに咲くすぐりの実に興味を持たず草をはむ牛
4
お下げ髪の根もとが丸く内側に跳ねて地球は丸いと思う
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猫背から姿勢を正しげんを追う津軽三味線を奏でる乙女
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この町を拡大鏡で眺めたらもっと優しい人になれそう
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日に焼けた写真のように毎日の暮らしが奪う記憶が怖い
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土ぼこりを舗装道路にまきあげて雨がぽつりとふりだしてくる
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紫陽花が青く咲いたら思い出すほんのり甘いあなたの匂い
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風鈴が揺れるみたいに相づちをうてたら君と居られたのかな
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まっすぐには雨は降らない酔っぱらいの足どりみたく傘を湿らす
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コーヒーを初めて飲んだ思春期に苦笑いとか自然にできた
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花よりも葉の色が濃い紫陽花をぬめりぬめりとカタツムリゆく
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路地裏に迷路ができる濃霧こい甲府盆地の山あいの町
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明日から影が痩せてく夏至の日の空地に君を探しにいくよ
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夕焼けが早送りして夜となるピーエム7時の東京の空
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スライムを倒すみたいな目標がないから僕は町をでれない
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犬になる夢を見ていた熱の日の寝てることしかできなかった午後
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腕時計が遅れるように少しづつ君との距離も離れてしまう
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甲子園の土が黒ずむ球児らの汗と涙をすいこみながら
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カーナビに託してみたい人生の選択肢とか今日の服とか
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なんとなく合わない人といる夏至の空の青さが憎たらしくて
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全員でマスクをしてたこの夏も君の海馬は忘れてしまう
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テーブルを除菌ティッシュで拭くようなごめんなさいは聞きたくないな
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多摩川を流れるはずの水滴が車窓について都心へ向かう
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フライパンへ油をひいていくように路面が光りできる水たまり
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