晶史
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263
あの時にあんなのだった男の子 きょうはチャペルで花婿となる
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会堂が装ったような赤じゅうたん ふたりが歩く式場となる
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白き百合 講壇に置くイースター 四十二回目の春が巡りぬ
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ウィルスと大地の揺れは常なれど ミサイルだけは人の業なり
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初恋のベンチと私が名付けたる椅子に老いたる夫婦が憩う
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ああ あれはウクライナの国旗だと 子供が指さす 町家の軒先
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視野欠ける病を得たるこの身には遠くに響く白杖の音
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ペコちゃんの店とピザ屋と宝くじ今宵サンタが店頭に立つ
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初恋の上書きできない男らがペコちゃんの店でケーキを求む
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夜空には月と木星が近くありデートと言わずにランデブーという
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達郎が聖夜歌ったあのころはスマホはなくてシンデレラがいた
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半世紀前のかさぶた取れました 秋の夜長の失恋記念日
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三日後(のち) 食(しょく)になること知らずして東の空に月輝けり
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公園の砂利ともみじと夕暮れと初恋の日とおんなじベンチ
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わたくしはここにいますというふうに ひかえめながらキンモクセイ咲く
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マダラとかシジミと名の付く蝶々はそれでも秋の花に寄り添う
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こんな日はVANの袋とブックベルト 金木犀の香る青空
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まぁちゃんに似たミキちゃんが好きだったキャンディーズの歌がきこえています
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雑草という名の草はなく夕顔の鉢で共に花咲く
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サークルのトレーナー君に着せた日と同じ寒さの鴨川の秋
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ボックスに忘れられたる傘ひとつ公衆電話の秘密を聴けり
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白内障治した目には白きもの より白くなる夕顔の白
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そのために買ったのではない筆ペンで最初に書いた「お花料」の字
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