石川グルーチョ
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やさしさはどこまでいってもやさしさでやさしいだけじゃどうにもならない
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みずからの暗さを見つけるうれしさよことばは映すわれの心を
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人々の狂気はいずれ正装す歩いたり食ったり人間の生活
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とりあえずオロナインでも塗っておくあとは寝てればいつか治るさ
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過去のことうまく思い出せぬままに今を生きてる時は流れる
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こんなにも酔ってしまった夜なのにまだ働いてる人もいるのか
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一応は人間であるこの私おそらく多分もしかしたら
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純粋な怒りはとうに消え失せて打算ありきの憤りあり
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一般人取るに足らない人生に言葉与えるにぶいひらめき
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お互いを思う存分罵って笑顔で握手そんな日は来ず
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疲れ果て豆腐にネギをかけながらうたう鼻歌はみ出る無意識
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それぞれに酒飲む理由はあるにせよ飲んでしまえばみんな同じさ
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在りし日の歌を歌うかうろおぼえデュエットしているあの日の俺と
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家の中裸で過ごす心地よさ肩で風切り歩くリビング
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憎しみは何も生まぬと知りながら目の前にいるあなたを憎むか
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人々が嘘偽り無く笑うための偉大なシステムその名は「祭り」
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祭り来てビールを飲まない手は無いぜ美味しい儀式注がれる生
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たこの無いたこ焼き頬張り腹だけが膨れていくかこれが晩飯
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お祭りの屋台のまずさ笑えてた時期もう過ぎて今は怒りが
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仕事終え疲れて家のソファーにて妻と中身の無い会話する
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しわくちゃで豆できている手のひらをまじまじと見る寝室の灯り
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二十歳ごろ道で拾った一万円何に使ったか思い出せない
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死にたいと生きている人いるなかで生きたくて死んでしまった人も有り
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選ばれた人間のような顔をして歩く人々みんな悲しい
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利き腕が左手だったらもう少しあなたの悲しみ寄り添えたかも
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いつの間にどこかで祭りの音がする我は今年も置いてけぼりに
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仕事でも息抜きでもない鉛筆を握って短歌を書くということ
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久々に開いたインスタ楽しげに笑う人々真顔で眺める
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平日の昼住宅地散策すTシャツサンダル不審者気分
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気がねなくシャワーを浴びる口実に散歩へ赴く炎天下の昼
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