Utakata
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石川グルーチョ
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勾配を歩いて見上げる葡萄畑いちめん青空吸い込まれるか
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風が吹き昼寝をせよとはやし立て期待に応えて横になる午後
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唐揚げを揚げる妻の手さばきにほれぼれしながら飲む缶ビール
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往来を行く人聞いて回りたい「まだ夏ですか?」「もう秋ですか?」
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冷蔵庫開けてはしばし黙考す早く閉めろと怒れる妻が
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コウモリが狙いすまして糞をする建てたばかりの我が家の玄関
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頭痛来る閉じた瞼の闇の中自分のことしか考えられない
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階段を転げ落ちたる幼き日その傷跡がまだ残る鼻
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どこからか五木ひろしが聴こえてはあたり見回し立ち止まる昼
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無防備に転がるアマゾン置き配の荷物玄関先にありけり
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アレだアレ名前が出ないもどかしさ上見て口あく阿呆面
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あらかじめ決められている空を見た雲一つない窓の向こうは
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とりあえず猫を出しときゃいいのかと世間に吠える俺はおじさん
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このごろは大きな言葉ばかり有り我は小さな言葉を好む
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地震きてすぐに飛び起き見るスマホ妻はとなりで小さな寝息
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いつになりゃひげをそらずにぼうぼうのかおでへいきでそとをあるける
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疲れては液体になる週末に流れ流れていずれは海へ
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伸び切ってだるんだるんの時間ありソファーの上で液体になる
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くるくると回るレコード催眠術気づけば踊る1人で部屋で
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真剣な顔して足の爪を切る今まで過ごした過去切るごとく
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音の渦巻き込まれては生活に音楽がある回るレコード
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くつ下が左右違うと気づいても動じないほど重ねた年齢
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テーブルの上無造作に横たわるゴーヤこんなに凶暴な見た目
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久々に字を書くために握るペン忘れる漢字動かぬ手首
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人間は口があるから喋るので口が無ければ黙っていられた
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歯ブラシを動かしながら見る天井奥歯はとくにていねいにみがく
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穴空いた靴下を見て自らの苦労を思う妻はあくびを
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まな板のごときノートに横たえた生々し言葉さばいて短歌に
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棚の奥3年前の処方箋見つけてかつての苦しみ想う
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試着室鏡に自分を映しては取り替える服我はそのまま
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