Utakata
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文字列を人は織り継ぎその人の幻像を文字列が織り継ぐ
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顔や手を見て知れることもあるけれどそれはそんなに知りたくはない
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セックスと愛は別だし、いやそもそも人を愛する義務などないし
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死ななくていいけど死体の冷たさになりたかった、か。そうかわかった。
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不自然な生き物らしい服を着て零下の街を凍えずに行く
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身体よ今日も生かしてやったのだたまには礼の一つでも言え
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包帯の隙間からこぼれ落ちる蛆 のように生まれ来る歌もある
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眠ったり食ったりしてやらないと死ぬひとりの人の中で生きてる
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体温を持って生きるということも少し許せる大人になった
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意識こそ人だとしてもその数は常に身体よりも少ない
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もう一人くらい私がいてもいい、はずなのにやはりいないのだ 雪
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始まってしまったものはしかたないから終わらせていくだけである
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「なんで逃げないの?」と軽く訊く君もまだ逃げないでそこにいるじゃん
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人間を傷つけたくはないのだが制度の顔をして立たれると
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あなたにもいろいろあったのでしょうから生んでしまったことは責めない
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とは言えど在るものはみな在るだけで誤りであるような気もして
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誤って生まれてしまった家ひとつ葬るための虹をかけよう
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絶望が愛と呼ばれた慣習に倣う気はない それだけである
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「生まれたくなかった」は「生まないでほしかった」とはやや違うはずだが
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無能でも生きていいのだ俺を見ろ、と言えるほどの無能でもなく
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どちらかと言えば機械が人間のねじれゆがみを模するのだろう
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ああみんな優しいんだな太陽も死ぬのに騒がずに生きている
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要はそれ「収拾つかなさ」ではないか神とか呼ばれたりしているが
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しかたない、とは思うけど許すのは嫌だな われらを生んだ何かを
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ひとつひとつ毟れば菊の蕾らの死魚の眼に似て空を仰げり
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生活と無限は相容れがたくして空を遮るためにある屋根
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継ぎしものよりも断ちたるものをもて我を証さむか 初霜の降る
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人波の潮の如くに満ちきたり引きゆきて自由意思とは何か
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人あまたゐてそのうちのただ一人のみ我なりと知りし日のこと
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ものなべてこの涯無きを負ふゆゑに傾ぎて見ゆる青空の下
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