Utakata
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眠ったり食ったりしてやらないと死ぬひとりの人の中で生きてる
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体温を持って生きるということも少し許せる大人になった
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意識こそ人だとしてもその数は常に身体よりも少ない
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もう一人くらい私がいてもいい、はずなのにやはりいないのだ 雪
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始まってしまったものはしかたないから終わらせていくだけである
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「なんで逃げないの?」と軽く訊く君もまだ逃げないでそこにいるじゃん
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人間を傷つけたくはないのだが制度の顔をして立たれると
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あなたにもいろいろあったのでしょうから生んでしまったことは責めない
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とは言えど在るものはみな在るだけで誤りであるような気もして
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誤って生まれてしまった家ひとつ葬るための虹をかけよう
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絶望が愛と呼ばれた慣習に倣う気はない それだけである
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「生まれたくなかった」は「生まないでほしかった」とはやや違うはずだが
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無能でも生きていいのだ俺を見ろ、と言えるほどの無能でもなく
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どちらかと言えば機械が人間のねじれゆがみを模するのだろう
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ああみんな優しいんだな太陽も死ぬのに騒がずに生きている
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要はそれ「収拾つかなさ」ではないか神とか呼ばれたりしているが
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しかたない、とは思うけど許すのは嫌だな われらを生んだ何かを
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ひとつひとつ毟れば菊の蕾らの死魚の眼に似て空を仰げり
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生活と無限は相容れがたくして空を遮るためにある屋根
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継ぎしものよりも断ちたるものをもて我を証さむか 初霜の降る
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人波の潮の如くに満ちきたり引きゆきて自由意思とは何か
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人あまたゐてそのうちのただ一人のみ我なりと知りし日のこと
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ものなべてこの涯無きを負ふゆゑに傾ぎて見ゆる青空の下
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冬空は澄むほどにその涯なさの担ふに重く俯きて過ぐ
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一掬の過去ログとして還らむにささめきやまぬ海にてあれかし
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やがてこの街をも喰らひ尽くすべき葛の触手の差しいだす花
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街ふかくけむる朝にてわれらこの靄に編まれし仮象ならずや
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欲望の分岐をわかりあえなさをヒトの栄えとして祝うのだ
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生存と繁殖という原理すら個体はしばしば無視しますから
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傾向があれば外れる奴はいて「である」に「べき」を押し付けるなや
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