Utakata
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成人。架空短歌。お引越し完了しました。
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人魚姫でなかったあなたは泡にすらなれなかったのでした おしまい
2
傘のうちに招じ入れたる霧雨に濡れそぼつ
夜
(
よ
)
のあさましき身は
0
絢爛な虚飾に虚実に戯言にまぶしたそれを過去と呼ぶのか
0
肋骨を打鍵し内に仕込まれたメトロノームを加速させてく
1
フラクタルに殖えゆく宇宙に産声を上げよ人の子カオスの
末子
(
まつご
)
1
紫陽花の葉っぱを上から順々に撫で落ちていく雨アルペジオ
2
炭鉱のカナリアみたいな息づかい ヒールの釘をカチカチ鳴かせ
1
道端にヒールの靴底おちている 生き急ぐことへレジスタンスだ
0
干していたシャツから滴る雨粒にこの世の全てを諦めている
1
家にいるはずの三毛猫見つからぬ 今日と明日の隙間で寝てる
1
昼顔のらっぱが野原いちめんに 世界の終わりにきっとかわいく
1
轟音をともなう閃光とともに飛来してきた隕石のきみ
2
鈍色の雨すら遅いこんな日は君の深度の音に沈んで
0
森の木の葉っぱ一枚一枚に奏でる歌を教えてる雨
2
干からびた小鉢の牛蒡を
輩
(
ともがら
)
にキッチン・ドランカー・オブ・ジ・エンドす
2
おりこうなわたくしたちがかんがえた ただしいせかいの魔女の狩りかた
2
ヘンゼルの置いた小石の駅たちの光を拾って各駅停車
2
この星の回転運動より速く駆けぬけていく少年の夏
3
止まらない涙で腫れあがる頬にフローリングはいつも優しい
1
戻れないふたりシーツに沈没す 遊泳禁止を破った罰だ
1
くちづけの理由をさがしているうちに 紫陽花の色は褪せていきます
0
あたしんち? あすこらへんのビカビカをぐるぐるしてる地球って星
1
木々たちのことばささめく森のなかバベルの罪で孤独なわたし
1
南十字星行きの汽笛が今もなお 森へと還る廃線跡に
1
盗まれたビニール傘の所有権ほど不確かなあなたの右手
1
葬送の宴の跡が苗床に 森のいのちの円環の旅
0
ピアニシモの雨音を裂くクラクション 寝覚めた猫が夜に潜る
0
花の紅を落としたふりで滾らせる 割れた
柘榴
(
ざくろ
)
の執念の赤
1
狂い咲く蝶の宴の夢のうち 月下美人の一夜の生は
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ウロボロス 互いに尾を咬み睦みあう 夜が明けずに粛々と雨
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