Utakata
登録
Login
通気口
フォロー
0
フォロワー
7
投稿数
247
成人。架空短歌。お引越し完了しました。
« 最初
‹ 前
…
4
5
6
7
8
9
次 ›
最後 »
かたつむり片手に神社の石段を五段とばしのメリー・ポピンズ
1
あ、そっか。猿楽町のコンビニじゃ、夢も希望も売ってないのか。
1
べつの星、べつのかたちのぼくらでも、雨の歌ならきっと一緒に
11
この街に主旋律として雨が降る なんて優しい世界のほろび
6
羽化をしたばかりの翅に纏いつく過去が乾いて凛と蝶々
2
頬杖をついた教室 夏空を澄んだ魚が回遊してく
2
風を切り上昇気流と駆け抜けろ 紙飛行機が雲へと溶けた
3
翼だと信じたものは白く散る花びらでした さよなら五月
3
蒼天を汚せ
黒鳥
(
オディール
)
ただひとつたったひとつの君だけの羽根
1
ぴかぴかの八センチヒールの拘束具 じぶんでえらべる自由な地獄
3
けずれてくたましいみたいなきみの歌 わたしのすべてを心臓にする
3
生きているだけで責められる無酸素の駅 踊り子号軽やかに通過
1
夢に見た 夢にまで見た 夢にしか見なかった これは未練の骸
2
君の声 わたしが眠れぬ夜に降る五月の末の雨のようです
1
三匹でまぶたの幕が降りていく おやすみ羊とぼくのクラリス
1
万雷の雨が拍手と喝采を わたしは世紀の失恋をした
2
君にしか聞こえぬ恋よ 高らかにヘッドホンから心臓を撃て
2
仄暗いパピヨンどもの喝采に頭を垂れる庭の
石楠花
(
しゃくなげ
)
2
どこだってつながっているはずの空 飛行機雲が引き裂いていく
3
甘味料・着色料を使用しない 無添加素材の澄んだ悲しみ
2
仰げども曇天すらない地下のバル ブルームーンの泡立つ深夜
1
「ともだち」の境界線をおたがいの指でたどって つよく握って
2
踊り場のぼくらに翼も鰓もない 少女と呼ばれる未詳のけもの
2
廃屋に寒桜咲く 此岸にて佇むことが生ということ
2
後悔はする予定です この熱に全身全霊溺れたあとで
4
終電を待つぼくたちのレコードに針を 4分33秒
3
こだわりの直火焙煎珈琲が味わえそうな美容室まえ
2
さみしさが致死量レベルのツイッター きみは夜ごとにうさぎを殺す
2
欲望に蔦を巻きつけクレマチス 絡んだ脚が解けるまで夜
2
五十年近くも月にすら行けぬ人類の子らの閉架の星座
1
« 最初
‹ 前
…
4
5
6
7
8
9
次 ›
最後 »