voyage
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猿もすなる短歌というものを詠みたいとて詠むとす。

抜け殻の蝉の意識を取り戻す 「センセイ、ありがと」 夏の陽炎
8
炎天下 今日とてヤヴァい夏の日に 豆腐を売り切る荷車ありけり
11
パリの夜 歯車合わず無念でも 静かな焔 泪で揺らし
11
洗濯機ゴドゴド震え朝起きる白服濡れて今日は晴れなりあっぱれ
6
「胃の中に、緋色の蛙飼ってます」「俺の哀しみ、呑み込んでくれ」
9
行き違う 二人の心 重なりて 闇夜を包む 夏の星雲
12
苛立ちを隠しもせずにふて寝する。朝陽が射して消えますように。
13
汚れます 私の命 削り落ち それでも遺る 熱情の薔薇
8
うたびこの重なる波に山を見る鳥が飛び立ち群青笑う
6
目覚めより鼓動音は高らかに出掛ける海の波は静かに
14
西陽ゆえエモーショナルは加速して。車窓に映る君の微睡み。
7
無気力が病みの中より出づる時夏の思い出火花と散りゆく。
6
冬の日に買った二眼のトイカメラ。夏のdata.を上書き保存。
6
素麺を茹でる君のおでこには一日分の愛がありけり。
11
土見れば蝉の亡骸砕かれて子供はずっと夏を見ている
8
陽が射すと、疲れた心も溶けだして。ふと見上げたら瑠璃色の蝶。
9
「かきつばた」。語感の良さにお腹すく。梅雨も過ぎゆき、向日葵愛し。
10
双子の君。一人は絢爛、意地悪で。いもは強く儚き者よ。
4
悪夢より目覚めてなおも地獄篇グギギと嗤う餓鬼も可愛げ
6
間違いを認めもせずに往く人の愚かさゆえか、夏がこわれる。
8
季節よりラヴレターが贈られる。「影っちゃるけん、代わりに愛を」。
7
生活の並々ならぬ退屈さ。それを言祝ぐ君がいとしい。
6
現世から月へと旅立つ音楽家。ゴリラがバナナをくれたあの日に。
5
積乱雲ぐんぐん伸びて豪雨前。 浴衣の君よ、果報を寝て待て。
16
改札前ごった返す群衆に自我も紛れて夜よ、さよなら。
6
推しの子の劇情劇に我忘れ。届かぬ愛の碧さ、きらめき。
6
向日葵の細くたなびく無邪気さに己の弱音も風に流して
17
エミネムはあまり似合わぬ夏空だ。韻をかぶせる芯もあるまじ。
7
暑さゆえ、雫が空に放たれる。熱気求めてウナギは登る。
5
氾濫す。君患いは河のよう。濁った頭で「明日を祈る」、と。
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