出棺前ですか、も少し、待てませんか 今ならいい詩が、あぁ、駄目ですか 2
出勤前 頭の中で刻んでた ライムがチャイムと 一緒に消えた 0
君にだけ 教えてあげる、ほらわたし ここのとこだけ 窪んでるの 0
わたしはね 自分で作るもののうち トマトスープが いっとう好きよ 2
破いたら どうしようかと思うのは あなたの歌と 本の帯だけ 1
上前を はねられてると 気づかない 白いピアノで ありたかった 0
心無き アンドロイドになれたなら (AIだって、歌は歌うし) 2
善良で 無垢な人らの やさしさで かろうじて走る 世界システム 1
君こそが 王子様だと 思うけど 「ノートルダムの鐘」 で泣くひと 2
すみません。……うまく仕留められなかった 2Bの鉛筆を持った彼は 0
行ってくれ 僕にはいけないところまで。 出したバトンは、宙を舞った。 1
死に場所を 選ばせてくれ、(空が見たい) 彼の願いは しりぞけられた 1
この世界 叶わぬ夢と 叶う夢 どちらかだけならよかったのにね 0
テーブルで じっとふたりを待っている マカロニサラダ 無限ピーマン 0
張りつめた 弦につがれた 赤い矢の 放たれるときを ずっと待ってる 1
選ばれた 選ばれてしまったばかりに 選ばれ続けなければならない 0
さくら色の インクの壜から生まれたため 指先がすこし、さくら色のひと 1
好きだった みかんの「み」 の字を囓っても もはや甘くも しょっぱくもない 0
「先、行って」 今から走ったってもう 世界の果てには間に合わないし 0
知らなけば なんにも迷わないですむ 打ちのめされるために買う靴 0
そうですね。特になんにもないんですが ちょっと、伸ばしてみようかなって。 0
人として 正しくあろうとするだけで 歪に磨り減る 輝かぬ石 0
僕はもう ホトトギスではないもので なきもしないし 死にたくもない 1
花の色は 青く染まって思い出す 君の癒えない 悲しみのこと 1
両足と 歌をつむげる両の手を 持っているのに、どこにもいけない 0
階段を 登ったけれど シンデレラにはなれなくて 首を吊られる 2
傷付けば 傷付いただけ 五線譜が 君だけの詩が 生まれる二月 2