宇佐木 芙和子
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今の気持ちをここに留めて、あとで思い出せるように、詠んでいきます。

遥かなる君にあはむと行く旅路 甘き調べを響きわたらせ
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温もりを少しも忘れたくなくて 握った手の中 星ひとかけら
3
いただきを目指して走る真夜中のタンデム 君と流れ星になる
2
ひさかたの光 装ひ艶やかに やはらかなりし 木蓮の群れ
4
願わくは うさぎになりて 撫でて愛でられたい君の膝の上
5
気まぐれとわかっていても嬉しくて 涙に濡れた頬噛む痛み
3
ほのかなる風のかほりに包まれて 梅ふうわりと花びらほどく
4
いとおしき歌は彼方に響けども 届けたき君が胸に届かじ
3
かたち無き波の形を求めては浜辺で探す海硝子シーグラスかな
5
寒天の川にあんこの森深く フルーツの星 クリームの雲
2
いちど傷つけたなら いっそこの 痛みが麻痺するまで 傷つけてよ
3
誰か知る 木々茫々のトンネルの 端 にほひたる梅の しをらしき様
1
苛立ちも言い足りなかったさみしさも 味噌汁にぶちこんで飲み干す
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二日月 天なる父ジュピターに見守られ金星ヴィーナスの髪 光るる ティアラ
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嘘だって「可愛いね」って言われたら可愛くなるわ 魔法の呪文
7
もし最期 花一輪を添えられる存在ひとになれたら散っても良いわ
6
秒針の いざなはれて迷ひ混む宵闇の果ての紺の果ての碧
2
君の面影追って辿り着いた駅のホームに春は来ているか
4
温もりがほしい夜に限って鳴らぬ通知「充電してください」
3
月の暈 ほどきて紡ぐひとひらのヴェール纏ひて舞へる乙女よ
4
歯みがき粉みたいに最後のひとしぼり 空っぽになれたら良いのにな
3
「長いね」と言ってもらったこのまつげ あなた見つめる集中線よ
3
煙放つ君に焦がる我が身なら 尽きても悔ゆることなかりけり (タバコを吸っているあなたの姿に恋い焦がれてるのです。その煙で私の命が削られたとしても悔いはありません)
3
星屑が波と溶けあふ海原の果てを求めてさまよふ海月
7
ふと切ってみた 夢のまた夢の輪の 指に絡ませる毛先すらなく
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「可愛い」が欲しくて作った前髪に 縁取られたあなた見つめてる
2
冗談か本音か知らぬ言の葉が塞ぐ心は決壊寸前
3
優しさに傷つけられる度「ズキリ」 この痛み 生きてる って感じ
2
寄せあひし 温もり忘れえぬように 右腕絡む80メートル
1
もしあたしが 先に旅立っちゃったらさ そのタバコ 一本だけ分けて
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