Utakata
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蒼鷺
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こんな日は自分の影を供に飲む 弓張月をグラスに浮かべ
11
古書店で太宰を一つ手にとった その気にさせる秋の長雨
26
「明日もまたここにいるよ。」というように薄暮の空で星が瞬く
12
明日
(
あす
)
からはまたも不遇な宮仕え 光っているか?雲上の月
10
唯一の人類だった
5
分だけ 森に埋もれた無人駅にて
11
噛みちぎるマルゲリータの
L
サイズ あいつのスマホ覗き見た夜
14
「いつ紅くなればよいか?」と問う君は空き家の庭のモミジの巨木
10
そらんじよ七言古詩の長恨歌 聞いてくれぬか秋の虫ども
12
いつもなら墓石のそばに曼珠沙華 一本もない今年の彼岸 /猛暑のせい?
12
秋風がかさりと揺らす
蟷螂
(
とうろう
)
の光なき目に映る青空
15
君は今どこから月を見ているの?誰を想って見上げているの?
8
丁寧じゃない暮らしでもいいじゃない 鍋からすするうどんは熱く
17
いつもより高い気がする青空をひらりひらりと舞うチョウトンボ
16
上弦の月が羨むほど白いさるすべり咲く夕刻の庭
17
あの雨の後から蝉の声はせずアナウンサーの話す声だけ
10
おそなえのハッピーターン食べたくて祖母と唱えた般若心経
16
いつもより多い気がする狐火が境内を舞う祭礼の夜
12
今もなお森の奥にてさまよえる君の
御魂
(
みたま
)
をまつ
烏猫
(
からすねこ
)
11
短冊に書けぬ願いを銀漢の底に沈める 今日は七夕
10
織姫と彦星くらい離れたら夫婦喧嘩のやりようもなし
17
青空の
一朶
(
いちだ
)
の雲が白いから残夜の坂ものぼっていける
10
あめつちの猫の模様を集めたら宇宙の謎も解ける気がする
13
朝7時天気予報を聞くように命はただの数字になった
12
天空に積乱雲が見えたから「竜の巣だ…。」とそっとつぶやいた
11
売り物のミカンの木の葉を
貪
(
むさぼ
)
る彼らが蝶になれますように
19
紫陽花の名前がダンスパーティーだから雨だけど踊ってほしい
9
あなたから離したでしょう?私の手 今さらそんな顔されてもね
19
葉陰から青梅が顔のぞかせる そろそろ納屋で瓶を探そう
19
朝ぼらけ
遣
(
や
)
らずの雨を祈りつつ澄ました顔でコーヒーを
注
(
つ
)
ぐ
13
「恐竜は元気だろうか?」もうずっとシーラカンスは考えている
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