蒼鷺
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投稿数
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生け垣のバラの花弁に宿る露 夜にはきっと空へと昇る
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雨だから「梟の城」読み返す 久しぶりだな!葛籠重蔵つづらじゅうぞう
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そういえばこの封筒で送っても受け取る人はいないのだった
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春過ぎて夏来にけらしカメムシと顔を合わせる日が増えていく
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青空と黄金こがねの麦を揺らす風さらさらと吹けウクライナにも
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この海は三葉虫がいた頃の水温でブリを育てている
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催花雨さいかうがアジサイの葉を揺らすので手にとってみる古今和歌集
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ブロックをつなげて肩に構える子「きりんがくるのばーんつくった!」/「麒麟がくる」放送当時
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占い師気象予報士そろえても天の気分は「かも」「かも」「たぶん」
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つぶやきが皮膚の下まで裂いてくるこんな場面は何度もあった
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折り鶴がカサリと落ちる音ひとつ引き戸の指を引き留める朝
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スプーンの上でゼリーは回転し今夜の夢を甘く彩る
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抽斗ひきだしの奥の指環が見る夢は青い飛沫しぶきがあがる公園
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若冲じゃくちゅうにわとりは夜ぬけ出してとなりのちょうついばんでいる
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雨音がやんで晴れ間が見えたとて君のかいなを枕に微睡まどろむ/雨音Side-B
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雨音に包まれているこの刹那君の寝息をかいなに抱いて/雨音Side-A
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コーヒーセットを渡して思い出すそういや私も母だったわ
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水底でうごめく者はいないからプールで一人背泳ぎをする
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手袋は履くものじゃない、はめるもの。お国言葉と知った衝撃。
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大声でBling-Bang-Bang唱えても広げたノート真っ白なまま/宿題やれ!!
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カタカタとささやく絵馬を順番に裏に返せば呪いの木札
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再戦の狼煙のろしをあげる日くらいは蒼天でとびに舞ってほしい/そろそろ復帰
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振り向くな逢魔おうまときに足音が聞こえて「ねぇ。」と尋ねられたら
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「水泳と筋トレすれば?」ご冗談?三段腹のアンタが言うな
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「真面目に!」が猛スピードで追ってくる。迎えに来てよ月の舟、今。
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りんご1個分軽くなる心地すイソヒヨドリの声を聴く朝
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真夜中に乳液のフタ閉めながら思い浮かべる君の指先
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この先が氷石こおりいしで見えたならば賢く生きていけるだろうか
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曲線と円でなりたつ嬰児みどりごが今夜も深く眠れるように
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聞こえない?アンタが口を開くたび火打石がカチンと鳴ってる
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