Utakata
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蒼鷺
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白鷺がそろりと足を運ぶたびふわんと揺れる紫の花
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透明な花火のように広がった 波の下から見上げた雨は
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ひきだしの奥のフリースひっつかみ季節は急ぎ
3
マス進む
24
車窓から見えるススキの穂は白い 今年はじめて長袖を着る
15
灼かれると知っているのか?夕暮れの蛍光灯に飛び込む虫よ
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シャーペンで引いたみたいに細く降る雨の日だけは詩人になれる
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アトラスの良き理解者は袋詰めされたミカンだ一番下の
7
伝説がはじまりそうな顔の子が駅のホームにつま先で立つ
10
夜半の秋 窓から伸ばす 手のひらに 月の光が 燦々と差す
16
丁寧な暮らしをしてる気になった 湯気立ちのぼる鯖の塩焼き
22
来週は秋のお彼岸らしいけど積乱雲は山盛りのまま
14
まっ黒な午前
3
時の床を背に赤さび色の月を見ている
16
祖母の手の古い葉書の「会いたい。」が滲んで見えぬ八月の朝
15
手がないの「て」がないせいで「いきます。」と告げるあなたを留められないの
4
よく知った道を一本逸れただけ 燃えてるようなブーゲンビリア
15
裏山で
法師蝉
(
ほうしぜみ
)
鳴く夕月夜 文字でノートを満たしたい秋
14
紫と緑で描ける朝顔の葉先に滲むレモンイエロー
9
涼風はどちら側から吹くでしょう?夏と秋とがゆきかう
路
(
みち
)
の
15
車内にて寝るおじさんの口からは
御魂
(
みたま
)
がふわり金曜の夜
9
「好きだよ。」とあなたが言ってくれたから 死んでもいいわ満月の下
10
軒先の金魚鉢から仰ぐ空 ラムネの瓶のビー玉の色
12
薄紅の積乱雲が映り込む池のほとりを白鷺がゆく
15
階段の隅におかれた水槽で鈴虫が鳴く雀色時
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手のひらにおさまるほどの紫陽花が青を深める 今日は梅雨入り
14
石楠花
(
シャクナゲ
)
がぱらりぱらんと落ちた日に今年はじめて半袖を着る
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はじめての家出で買ったコンビニのコーヒーとチョコ 苦味がいいの
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若楓アオスジアゲハ晴天と青の種類が今日は豊富だ
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本日の天気みたいな胸のうち低空飛行のツバメがよぎる
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5歳児がちまき抱えてズンズンと薫風とゆく横断歩道
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廃校の桜のもとを訪れた眠りをさそう春の静寂
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