Utakata
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蒼鷺
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春の夜の月をペンではえがけない 白く滲んだ雫みたいで
14
薄闇のなかに一本伸びている
骸
(
むくろ
)
の腕のようなススキが
7
はしゃぐ子の足をほぐすは道後の湯ひらりと落ちる桜の花弁
14
川岸の桜がヒラと舞い落ちる四十九日は来週だった
12
新年度だから何って思うけど行きかう人は日だまりの中
14
この星はむかし誰かが見た星で私の後の誰かが見る星
14
風はなく鏡のような凪の海 何も起きるな何も起きるな
23
待ちわびた春はそんなに遠くない 雪解け水がポタンポタンと
18
ピーヒョロと窓の向こうで
鳶
(
とび
)
が鳴く 「空はいいぞ。」と言われたようで
34
いつだって月に
叢雲
(
むらくも
)
花に風 スマホの写真データは
何処
(
いずこ
)
13
雪雲が山の頂包むとも春をはこべよ
蝋梅
(
ろうばい
)
の花
26
一粒の涙も見せぬ家までは ファンデは
戦装束
(
いくさしょうぞく
)
なれば
22
おとなしく聴力検査うける子の肩ごしに見る 白い氷雨を
20
神様がそういないとは知っていてロト
6
に並ぶ雨の夜
16
どうしても眠りの森へ入れない ウルフムーンに
吼
(
ほ
)
えてみようか
18
さっきまで栗きんとんは山だった こっちを見ないこたつの息子
28
コーヒーを出勤前に流し込む セーブポイントみたいなファミマで
14
あれっきりLINEは既読にならない 波打ち際にボタンがひとつ
14
晩秋に君がどこかへ行ったから 月も私もあのときのまま
14
あなたより頼りになって温かい ヒートテックが冬の恋人
16
こんな日は自分の影を供に飲む 弓張月をグラスに浮かべ
14
古書店で太宰を一つ手にとった その気にさせる秋の長雨
30
「明日もまたここにいるよ。」というように薄暮の空で星が瞬く
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明日
(
あす
)
からはまたも不遇な宮仕え 光っているか?雲上の月
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唯一の人類だった
5
分だけ 森に埋もれた無人駅にて
13
噛みちぎるマルゲリータの
L
サイズ あいつのスマホ覗き見た夜
16
「いつ紅くなればよいか?」と問う君は空き家の庭のモミジの巨木
14
そらんじよ七言古詩の長恨歌 聞いてくれぬか秋の虫ども
13
いつもなら墓石のそばに曼珠沙華 一本もない今年の彼岸 /猛暑のせい?
14
秋風がかさりと揺らす
蟷螂
(
とうろう
)
の光なき目に映る青空
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