Utakata
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蒼鷺
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満天の星になれずに真っ黒な池の水面に浮かぶ花びら
19
「花びらがここまで来たよ!」子の髪を春一番がなでる夕暮れ
15
虹の橋夕焼け空に浮かばせて硝子細工とくらべてみたい/折句・入学
9
音楽は目に映らない出目金は止まることなく浮かび続ける/折句・おめでとう
11
群青のスーツに笑みを貼り付けた青年がゆく四月一日
15
すいすいと緑の蜘蛛が糸を張るさっきの雨の雫をよけて
15
水仙は白と緑でできている「仕事やめて」と言われた昨日
11
灰色な今日をなんとか変えたくてデルフィニウムとトマトを買った
18
夕方に螺旋を描く筋雲と同じ形の物を持ってる
9
荒田
(
こうでん
)
の
畔
(
あぜ
)
にひっそり植えられた膝丈ほどの桜にも春
22
カッターで青い画用紙切るようにツバメが一羽飛んでいく朝
29
砲撃の音が届かぬこの部屋で子どもの寝息だけを聞きたい
13
グビグビとビール飲んでるおじさんの横でリポ
D
まだ休めない
12
アスパラに、ベーコン、卵炒めたら、弁当箱を彩るは春
20
曲がり角片目の猫と鉢合わせ 強く生きなよ春は来たから
19
キャンディの包み紙まで桜色 今日のチラシもどこもかしこも
18
青空に白く浮かんだ半月を撃ち落としたい仕事始めに
15
寝る前のポテトチップスばりばりと 月と一緒に太る晩秋
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電線のスズメをぜんぶ奏でたらラフマニノフが聴こえるだろう
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厳密に選別されるジャガイモの気持ちがわかる人間ドック
17
じゃがビーとジントニックがあったらな 月のほかには何も見えない
11
ギチギチと百舌の声する夜明け前 くもりぐらいでちょうどいいのに
14
山影に沈んでいった二日月
M
e
l
t
y
K
i
s
s
がとける速さで
12
代行は空に頼んでおくからね 体が消えた後の涙の
9
人生がなんにもうまくいかなくて
T
K
G
がよく混ざる朝
8
胃がしまる日に持っていく弁当の卵焼きだけ卵
2
個分
16
『この人はもう戻らない。』花束が机の上で主張している
17
氷よりヒヤリとしそう飲んだなら朝の淵からこぼれた月を
14
虚空から何を招いているのやら 逢魔ヶ刻に揺れるススキは
16
雨音が鼓膜の奥へ流れこみ私の中の水は澄みゆく
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