Utakata
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茶々姫
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もゆる色 鬼灯(ほおずき)に母閉じ込めて 「お帰りなさい」 両手で包む
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会えないと 会いたくなるね コロナとか遠距離だとか 想うだけでは
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ご機嫌だ 暦変わった だけなのに 喜びに理由なんて要らない
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文月の 次は葉月の 眩しさよ 夏物語 はじまりはじまり
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不甲斐ない 仕事帰りに ハンディファン モヤモヤ飛ばせ 優しい風で
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冷房の 部屋から暑さ 見えるから 目に涼やかな 白を選んで
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暑いねの 代わりに想い 伝えたい 首筋流る 汗ほどの好き
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困難を 数多乗り越え 父がいる 病乗り越え 旨いもの食べよう!
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同じこと 行ったり来たり 悔やんでる 不甲斐ない我 叱咤し飛べよ
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意外にも 曇った空に 富士山が くっきり現れ あなた励ます
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曇り空 その向こうには 満月が スタンバイだよ 我らも準備
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休み明け 荷物が重く 感じるよ みんなそうねと 車内見渡す
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お腹鳴り 生きてるな〜と 実感す 食べたいものを 迷える幸せ
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美しく 咲く花の名を 躑躅といふ 父のLINEで 学ぶツツジを
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お祝いを 選ぶ私が 満たされて 祝福された 気になる不思議
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花が咲き ツバメ飛ぶ春 我からも 季節喜び 纏うの白を
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それぞれの 美があることを 葉桜に 学んで背筋 伸びる我かな
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温かく柔らかな父の頭に ふわり触れらる 車椅子なら
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たくさんの 言葉受け止め たくさんの 言葉伝えて 満たされる夜
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前世か 未来に出会う ことあれど 今存分に 慈しみたき
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花の雨 も少し枝に 美しき 儚い夢を 宿しておいて
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強風で 止まる電車の 座席では 誰もがどこかに 同じ文字打つ
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樹の下で 笑顔生まれる 春の日に 桜に寄せる 想い花咲く
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手術越え 何度も父は 甦り アップデートす 「神!」でヒーロー
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清明よ その響きだけでも嬉し みなで清らか美しく行こ
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春が来た 桜が咲いた 動き出せ 花咲くように 笑みを纏って
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春風も 陽光さえも 透かすよな 淡く儚い 桜に恋す
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降らないといいな 傘無く眺む車窓には 菜の花が笑む
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はよ咲けと 桜を揺する 催花雨 濡れる枝先 浮かぶ彩華よ
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見上げても 雲に晴れ間は 見えずとも その先にある 日差し想ふて
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