Utakata
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カメそば
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峠越え 凍ったままで 持ってきた ソルティライチの 溶ける昼どき
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古きダム 梅雨空映す 湖面には へら鮒釣りの ボートの二隻
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黒ずみて 板壁剥げた 建物は 峠ふもとの 古き工場
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梅雨時の お地蔵さまは 苔むして 緑の袈裟を まといておはす
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明日こそは 上手く捕ろうと グローブを 広げ革の香 かいで目を閉づ
8
バラックの 家に住んでた 友人の 祖母暗がりに 見つめし我を
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ダンボールの 敷地に脱いだ 厚底のブーツ 家なき女性の前に
7
教習車 後ろから見て わかる汗 昔の自分 そっと距離取る
7
朱に交わり 駅周辺の 建物も レンガ色へと なりゆく深谷
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用水路 カルガモ親子に スマホ向け いいねいいねと 監督気分
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初対面 生徒の固い 表情が 滑り散らした ギャグにほころぶ
11
送り迎え 自転車で来る お父さん 後ろの子どもの 手足は長し
9
階段で 行くと言い張る 孫つかみ 離さぬばぁば 塾は六階
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客のなき 応接間では 開かれた 楽譜とピアノが 弾く者を待つ
9
玄関に 掛かるウミガメ ガラスの目 故郷の海と 砂恋しがる
9
方言を 知らぬ子どもに 民謡の 「
弥勒世
(
みろくよ
)
が
来
(
く
)
」は ミルクをゆがく
5
赤ちゃんは 黒目しかない 目で笑う そうだこの目は 子犬と同じ
9
停電で ブレーカさえ 戻せない 親の老い見る 子らのため息
12
二十年 気ままに伸びた 竹藪が 伐られ遠目に 我が家の見える
11
目の見えぬ 少女はひなた ぼっこして お日様色が わかると言った
13
デイケアの 迎えを待てる 老人が 見つめる先の 制服の群れ
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アスファルト 下から持ち上ぐ 街路樹の 生命力に けつまずく我
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エレベーター 相乗りになり 震え出す少女の母は 我にあやまる
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今ふうの 店に見た目の 麗しき カップル我は 老母と二人
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擦り切れた 母のテープに パリの朝 燃えたひとりの 少女の歌あり
8
パリの空で 見果てぬ夢を 追えたなら みじめな暮らしの ままでも素敵
9
締め切りが 迫るとまぶたの 仙道が 涼しい目元で まだ慌てるな
8
赤塚の キャラの口調が 感染し 家族のメールの 語尾にはココロ
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九つの とき松葉杖 嬉しくて まだ治るなと そっと祈った
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ドイツ語の ノート回して 終わったら スキー行こうと 白い息吐く
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