カメそば
24
17
投稿数
181
マンションと ホテルのはざま 行き来して ねぐら求むる 鳩の夕暮れ
14
白球に 全てをかけた 球児らに 声枯らす夏 また訪れる
10
一日の 疲れもピーク 日跨ぎの 動かぬ電車に 明日憂う人
10
高崎線 ひと駅走り また止まる 地震の後の 長き家路よ
19
森の木と 蔓で作った 弓と矢に 都会っ子の目が 狩人となる
9
高原で 子らは牛より 名物の ソフトクリーム 見てほころびる
17
長ズボン 膝までまくり 用水路 初夏の涼とる 午後のひととき
11
麦刈りを 終えたはたから オートバイの 音に驚き 飛ぶ雀たち
13
四十年 父が育てた 菜園の 土ほっこりと 指に温か
14
キイキイと 音軋みたる 自転車に あやしき奴めと 犬吠えかかる
14
峠越え 凍ったままで 持ってきた ソルティライチの 溶ける昼どき
14
古きダム 梅雨空映す 湖面には へら鮒釣りの ボートの二隻
18
黒ずみて 板壁剥げた 建物は 峠ふもとの 古き工場
11
梅雨時の お地蔵さまは 苔むして 緑の袈裟を まといておはす
13
明日こそは 上手く捕ろうと グローブを 広げ革の香 吸い込んだ夜
11
バラックの 家に住んでた 友人の 祖母暗がりに 見つめし我を
9
ダンボールの 敷地に脱いだ 厚底のブーツ 家なき女性の前に
8
教習車 後ろから見て わかる汗 昔の自分 そっと距離取る
9
朱に交わり 駅周辺の 建物も レンガ色へと なりゆく深谷
15
高校の 制服見せに やってきた 生徒の顔の その誇らしさ
17
用水路 カルガモ親子に スマホ向け いいねいいねと 監督気分
12
初対面 生徒の固い 表情が 滑り散らした ギャグにほころぶ
13
送り迎え 自転車で来る お父さん 後ろの子どもの 手足は長し
11
階段で 行くと言い張る 孫つかみ 離さぬばぁば 塾は六階
18
客のなき 応接間では 開かれた 楽譜とピアノが 弾く者を待つ
11
玄関に 掛かるウミガメ ガラスの目 故郷の海と 砂恋しがる
11
方言を 知らぬ子どもに 民謡の 「弥勒世みろくよ」は ミルクをゆがく
7
赤ちゃんは 黒目しかない 目で笑う そうだこの目は 子犬と同じ
11
停電で ブレーカさえ 戻せない 親の老い見る 子らのため息
14
二十年 気ままに伸びた 竹藪が 伐られ遠目に 我が家の見える
13