Utakata
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えふれあ
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君のこと何も知らない透明な君に恋した罰に火あぶり
3
ひとめぼれあなたに焦がれ歌に詠む罪ではないかあるいは罰か
8
色づいた銀杏並木に珈琲の香りが溶けて水彩のよう
6
月眺めからっぽになって座ってる指先冷えて死にゆくみたい
4
手を眺め不安に駆られ外へ出る月の光が冷たく刺さる
7
ビルから斜陽に照る街を見下ろす昔はここにもテナントがいた
5
日も落ちて終わりかけた日曜日ぬるい缶ジュースだけが残った
2
お仕事に行かない朝は静謐で本物の富がここにはある
7
透明な空気の満ちた宵闇に踏切閉まる音だけ響く
12
秋来ると言葉も枯れて落ちていく見られぬうちに踏みつけ歩く
10
濡れ靴の重さも知らない運転手歩く私に水をかけゆく
5
アスファルト叩く豪雨は無力なり人は各々職場へ向かう
5
天高く浮かぶ望月虫の声おみそ汁にはきのこを入れよう
6
生活に固く閉ざされ萎びれるただ出口だけ求めて生きる
4
病臥して眠れない夜いつの間に鳴き始めていた鈴虫のこえ
11
八月のぶらんこ揺れない公園を人は忘れて草に覆われ
8
光満つ青春からも追い出され朱夏の日陰を彷徨い歩く
5
いつみても女子高生の唇の
艶
(
あで
)
やかな赤は暴力です
5
夏の暮れ「どこで道を違えたか」路傍の地蔵は何も答えず
8
くら〳〵になって歩いた夏の日の金のゆうべにさみしさ覚ゆ
3
近づけど一向に飛ばぬ鳩がいたお前も俺と一緒に歩くか?
11
暇だからあなたのために生きてみたい僕の翼になってください
3
まだ飛びたくない死ぬまでは翼があると信じていたい
3
我を成す砂粒の如き思ひ出は風にさらされ崩れ落ちゆく
5
網膜に焼き付いてくる半月は俺に何か恨みでもある?
4
南風吹いて分厚い雲を開いてく その後の空はきっと青くない
3
十八時 公園の隅の暗がりに消えたくなって立ち小便
3
「お祭り」の終わりと共に消えてゆく月の色した水ヨーヨー
8
流れてく波の隙間に鳴く鳥は名前もないまま夏の向こうへ
9
明けてゆくあなたと過ごす可惜夜に明るい論理で愛を教えて
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