Utakata
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えふれあ
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僕はただ君の手のひら刻まれた皺の一つ一つに触れていたい
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恐るべき君の引力振り切れず君が太陽 僕は惑星
8
葉を落とすカエデの下に横たわる家なき人に陽光は降る
8
寒江や君への言の葉浮かばずに流るる時は凍てざりぬべし
5
父親の薄くなりたる頭髪に木枯らし吹けり新月の夜
6
図書館に君がいないからコンビニで苦い香りのレモンを買った
8
この道も四月になれば使わない最後に君を笑わせてみたい
9
新鮮なライムの如き君の香を求めてしまってひたとくちづけ
9
深い夜遠くの車の走る音 年の残りを数えて眠る
10
あなたの名 居もしないのに呼んでみる果てしなく広く寂しい部屋で
9
きみのこと歌に詠むたび恋の語彙増えてまたヒト好きになってく
8
空腹を飴で誤魔化すような恋わかっていても貴方が好きだ
6
あらがえぬ淋しい香気にさそわれてあなたのもとへ歩き出す秋
8
幼きころを思い出し公園に寝る茜さす空一機の飛行機
8
君のこと何も知らない透明な君に恋した罰に火あぶり
3
ひとめぼれあなたに焦がれ歌に詠む罪ではないかあるいは罰か
8
色づいた銀杏並木に珈琲の香りが溶けて水彩のよう
6
月眺めからっぽになって座ってる指先冷えて死にゆくみたい
4
手を眺め不安に駆られ外へ出る月の光が冷たく刺さる
7
ビルから斜陽に照る街を見下ろす昔はここにもテナントがいた
5
日も落ちて終わりかけた日曜日ぬるい缶ジュースだけが残った
2
お仕事に行かない朝は静謐で本物の富がここにはある
7
透明な空気の満ちた宵闇に踏切閉まる音だけ響く
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秋来ると言葉も枯れて落ちていく見られぬうちに踏みつけ歩く
10
濡れ靴の重さも知らない運転手歩く私に水をかけゆく
5
アスファルト叩く豪雨は無力なり人は各々職場へ向かう
5
天高く浮かぶ望月虫の声おみそ汁にはきのこを入れよう
6
生活に固く閉ざされ萎びれるただ出口だけ求めて生きる
4
病臥して眠れない夜いつの間に鳴き始めていた鈴虫のこえ
11
八月のぶらんこ揺れない公園を人は忘れて草に覆われ
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