Utakata
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ココニャン
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散歩道出会うワン公目をそらすこの杖嫌いと言われてもなぁ
10
たすけたきに早苗田の畦にアマガエル
蛇
(
くちなわ
)
狙いて
末期
(
まつご
)
の声聞く
9
完ぺきな下僕となりし老いふたり食事の順序はまずお猫さま
10
口うるさく鳴く老猫に動かされ
一日
(
ひとひ
)
は猫のまず食事から
16
マスク中口の両わきほうれい線いっこく堂の腹話人形
6
雑用に追いまくられて
一日
(
ひとひ
)
終
(
お
)
ふせっかく夫の留守というのに
10
雨上がり畑の泥濘みに足取られ泥の靴下夫は突き出す
7
楠木に張りつき登るアマガエルてっぺん目指せ負けずに跳ねろ
10
最後尾ひたむきに走る徒競走小学の孫来年はきっと
11
朝一番我が家に居らぬ若い声飯が炊けたとAIが呼ぶ
15
葉の茂る柿の木の下紫陽花は
数多
(
あまた
)
の蕾で梅雨どきをまつ
15
いつ誰に教わったのか老猫よそんな上手に甘える
術を
(
すべ
(
)
)
14
獣医さん猫の名前をちゃん付けで呼ばれるたびに吾が答える
13
なにかしらからだ動かぬこの頃は一歩ためらうやりたきことの
9
左から
蛇
(
くちなわ
)
様がくねくねと前を横切り田圃に消えた
6
夫はまた夜が開けぬ間に起き出して畑に向かい日の出を急かす
9
六度目のワクチン予約取り消しと医師の体調不良の知らせが
5
雨の音聞きつつ眠りにつかんとす明日の予報も雨になるらし
8
集まりの主役の友は三回忌墓前に香煙ゆらゆらのぼる
7
膝にのる愚かな猫のあたまなでお前はいいなあ われ関せずと
6
老猫の頭を幾度も撫でながら先に逝くなと言い聞かせおり
19
地図覗く白髪混じりの頭よせ三人の息子誰が誰やら
12
久々に集いし家族はそれぞれにスマホとゲームの世界に篭もる
9
帰る日の子らの家族を見送りて洗濯物を機に放り込む
13
腕の中見上げる幼き子のまなこドキッとするほど透き通りたり
17
整えた小さき公園そばに建つ廃屋となれり老人施設
6
布団干し窓開け放す五月晴れ子等の帰省を待つ母として
22
ラベンダーに羽音も高く
忙
(
せわ
)
しなく働きバチはただひたすらに
7
引き込まれて水田に泳ぐ小魚を首を丸めて白鷺狙う
7
花水木桜の花とみまがうも散りどきひそかに気づかれもせず
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