Utakata
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プー子
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午後十時ようよう入り来る涼風と虫の音求め窓辺のベッド
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明日のため資源のゴミを出し終えて一度きりの外出でした
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風流ととても言えない姦しさ虫の合唱深夜に及ぶ
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窓の辺の虫の音そして涼風を兄も聞かんやかの病室で
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奥津城の父母へと供える花束の思い出の紅 天竺牡丹
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酷暑さ中別れも告げず逝きし兄 同胞・縁者に会えただろうか
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戦争を知らぬ世代も敗戦を負うとう不思議 終戦記念日
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湖までの丘一面の蕎麦の花豊穣の秋間近きと知る
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サロマ湖を見下ろす丘の一帯を真白く覆い蕎麦の花咲く
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ガソリンの高値に負けて窓を開け峠をゆけば蝉しぐれ降る
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忠実な無人の部屋の除湿機の僅かな音は無色の羽虫
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兄の死を受け入れきれぬ甘ったれ盆の生花を明日は選ばん
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めつきりと気温の下がる三日目はたっぷり野菜のポトフの出番
8
自己顕示いよいよ強し台風のオホーツクへも雨は三日目
9
探してる亡吾子に会えない蓮池に飽かず飛び交うオニヤンマ
羨
(
とも
)
し
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ひとり来て蓮の花群れ廻りても明るき真昼に吾子には会えず
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不意に来る逢魔が刻の淋しさに大口あけて飯を頬張る
9
昨日の昼寝今朝の寝坊怠惰に始まる葉月快晴
9
次に咲く蕾に吾子のいるようで蓮池に聞く風のララバイ
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北窓に向きて置かるる古ミシン心地よき風一緒に受ける
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夕涼み幾年ぶりの夜気にふれ届きそうなる星を指差す
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まるまると太りし大根抜きて来し入院の兄播きて行きしと
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オホーツクの真夏日続く夕暮れに何に吠えるか隣家の犬
8
手作りの作務衣パジャマの心地よさ派手な浴衣もまたよみがえる
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遠隔の地での闘病如何なるや視力をなくすと噂で聞きし
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この春の桜を共に見し
汝
(
なれ
)
の視力失せしか 忘れじの色
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カタカナの並びし四台のキッチンカー炎天下には訪う人もなく
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それぞれが好みの方へ顔を向けオオウバユリの気高さ薫る
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半世紀ぶりに訪い来る夫の友両手いっぱい土産携え
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何年も行方不明のウエストを取り戻す術手遅れと君
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