Utakata
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文月のペンタトニック
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特売で買った絹ごし豆腐だけ残す 明日は濡れ衣を着る
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「絶対に返すから」と言う友に笑む 信じなければ裏切られない
9
夏というルールで動きだす心 さあ全力を出すとしますか
4
過去例を見ない大量殺人の凶器はあまいくちづけでした
5
是か非かを決める会議の休憩に睨むシマウマ柄のハンカチ
5
売上を詰める部長のネクタイで恐縮しつつ踊るミッフィー
8
六月の徐々に夏めく日ざし浴びビタミンDをチャージしていく
10
休み明け 手帳の9:00の右にあるアラビア文字が読めないでいる
7
信号をきちんと守る人だからぼくの一部をきみに委ねた
7
人は死ぬ定め 世界は滅びゆく定め 希望に縛られながら
7
モンパチを全力熱唱した後でそんなさらりと言わないでよ
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幸せな記憶ばかりをより分けてしあわせになりゆく祖母の日々
10
好きなのか聞かれて二拍置き「たぶん」 ショートカットが斜めに傾ぐ
8
「ごめんなさい」きみの誘いを断ってもう一押しが欲しい目をする
7
「下の名で呼べば許すと思うなよ」きみがにこにこぶつかってくる
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きみどりの髪のナースが急患へ必死に必死に呼びかける声
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チーズバーグディッシュの皿は下げられてただ告白を待ちあうふたり
5
ベランダに落ち葉がひとつぬるい午後 ひそかに滅ぶ音がきこえる
4
久々に逢えたきみとの夜だから心のギアを二速に落とす
7
ラッシュ時にスマホ忘れて引き返す われ階段の瀧昇る鯉
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似合うとか求めてないし黒無地でサイズが合えばそれでいいのに
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連休を「牛丼 並のつゆだくと豚汁、玉子。」だけで乗り切る
5
短歌にも通じる武道の精神と守破離の教えなぞりつつ詠む
3
あの時は痛かったねと思い出を懐かしみつつ手首と笑う
6
豚汁をぶたじると読みたがるぼくをそっと殺して「とんじるください」
6
優しくていつも笑顔の店長が電話で本部にブチギレている
9
七色で世界は今日も回るから夜に架けるの漆黒の虹
8
過ぎ去りし三年天下 飲み会に行けぬ理由のストックを積む
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癌と知りて視界歪みし感覚を我も知りたり ただ寄り添へり
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親戚の宴も過ぎて涸れた茶のような人間関係でいい
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