たぬ吉
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新米のとぎ汁 植木鉢に撒く いただきますの似合う夕方
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あおむしとダイコンの葉を分けあって 味噌汁の具は今日は少なめ
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眠たくて 首もげそうなこの人に 右肩を貸す 次の駅まで
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生きてれば ほめてもらえたあの頃を  夢見て眠り 目覚めて泣いた
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脳からの 酷使に耐えて団結し  ストライキする 身体組合
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無くなれば 満たしてくれた おやつ缶 空っぽにして まだかな と待つ
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人生の 単位足りずに 留年し 神様からの 居残り授業
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ゴーグルをつけて 信号待ちの子ら  すれちがう人の表情ゆるみ
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あなただれ 娘です あらそうだった 笑えるうちに 笑えるうちに
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父だった 人のケロリに もて余す 名もなき感情 炭酸で割る
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ソンナコトナイヨ を多めに持参して 思春期の父のご機嫌直し
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親を知る という科目の授業中 ここは試験に出そうなところ
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校庭に 明るいきみどり色の筆   樹々を描いて 飛ぶ野良インコ
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ああ言えば よかったというわだかまり コップの茶渋と一緒にこする
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諦めと ニヒリズムへの誘惑に  負けるな踊れ 心のヘヨカ
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目を背けたくなる世界を直視する 君を ヘヨカと呼んで見つめる
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知ったより出逢えたという感覚で  初めての言葉 くりかえし読む
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意味ばかり 受けとる人が置いていく お気持ち 拾って洗って干して
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中翼(なかよく)はめんどくさくて右左  傾きながらどこへ向かうか
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野暮天は嫌われるから 暗示して 伝わらず 足す ※これは愛です
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箱を描く 前に描かれたたくさんの ひつじを 私はなでてあげたい
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やさしさの手持ちが足りないので今日は  仕入先行って直帰します
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むずかしい言葉を並べるあの人の 落としたアリガトを拾うお仕事
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自らの 面倒と恥を 他人事(ひとごと)に するしかなくて 二度童子なの
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二度童子 背中をなでて ゆっくりと 父だった人の 母親になる
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ニンジンの 新芽の横でニンゲンも 朝日を浴びて水を飲む今日
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ただ会って話して食べてまた話す また会う日まで生きるとしよう
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王様へ 裸です風邪ひきますよ  無礼者 だまれ へックション
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台本を 繰り返し詠み さあ開演 実家劇場 ムスメその1
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行き場ない 迷子の気持ちと 手をつなぎ 耳を澄まして 道場の朝
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