しもぎ岡夜
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未熟。

春風を臀部に浴びて削れてゆくだけさと笑うブロンズ像
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ひまわりは優しいあの子に拉致されたと知り 夏休み初日おわる
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研ぎたての包丁に理性という鍵をかけて 玉ねぎを細胞ごと壊している
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はじめての東横イン一人の夜にメルセンヌ素数について延々と調べおり
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「おまんこ」とだけ書かれしポストに初いいねつけてく夜のまにまに
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みつけてもみつけても星にはすでにすてきなおなまえがつけられている
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朝九時に起きて目玉焼きに箸を刺して白い皿を汚している雪降らぬ日曜に
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泣きながら互いに手を繋いだ日から朝の占いを信じるのをぼくらはやめた
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まんまるになったさくらをみにいこう 春をおにぎりごと食べちゃおう
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強請っても買ってはもらえぬりんごを うさぎにする雪晴一人暮らし
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誰も愛せないし反抗期らしい奥歯の 頭をそうっと撫でる就寝前
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ことりとカラスちかいけんかしないでもおはなししないほめられもしない
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にせもののにゅうどうぐもいらないにゅうどうぐもこいしいこいしいほしいふるあめ
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通販で似合わぬ下着を買ってみたりする程度の恋をしているらしい
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まんげつがでたぞてっぺんにバターを おとしてきりわけほらしんげつ
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そうよあなたしぬのおつまみの もやしとしてあのひとのはしで
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そらを繋いで手をみた あなたは人の妻それでも抱かれたかった
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真紅のランドセル似合う あの子が鬼で私は鬼になりかけの逃亡者
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灯りより先にテーブルへ届く ニュースはカザの数字を淡々と告げ
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母のくれしベーコンを昨日のドジすら 忘れて朝に食む
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おひさまのひかりよりおもたいね たんぽぽのかあさんのあびたゆきは
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いいやもう 北極星の真下の草原でマドレーヌに 絶望そえて
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春雨はこわいねえベビースターがしょげないうちにのみほしてしまいなさい
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褪せしイルカのぬいぐるみを 絞め殺すようで君ととなりにねる幸福
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踊る猫の瞳の向こうの鉄塔までおいで うろこ雲なら僕が殺した
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唇と唇が触れ合うのでさえ拒みし君と 洗濯物干しつつ夏巡る
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三月は仲良しの春だよ 無理やりに観覧車に乗せても怒らないで
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ぱっちんと叩いた手に集まれ鯉 くれてやるこんな初恋なんて
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退職のお祝いに鉢植えのシネラリア 渡されて今も窓際に咲く
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血統書付きの猫と威嚇しあう あなたの下前歯が欠けている
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