Utakata
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りっとう ゆき
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冬服のきみはきみじゃないみたいに冴えた目で「ネブカドネザル2世」と・
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ぼくだけがカメラ目線で鳥たちもカムパネルラも永遠を見てた・
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行けたら行く そう言ったとき胸にまた咲かないままの睡蓮ひとつ・
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「ごらんなさい、みんなが静かになるまでにこんなに冬になってしまって」・
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廃校のベートーヴェンやショパンらが奏でてるオルタナティブロック・
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「分かるならちゃんと分かれよ」そう言ってあの人は星空をバイクで・
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砂浜を掘っていったら愛されたり愛されなかったりした日々が・
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百日紅かも知れないし違うかも知れない ぜんぶ嘘かも知れない・
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誰もいないプラネタリウム ぼくたちがつぶやけなかった想いばかりの・
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ユニコーンは記録係が書き忘れたから存在しないことになった・
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秋雨が変なリズムで窓を打つから降りそこねてバスは前世へ・
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予感ばかりだった真夏は過ぎ去って空気の抜けた浮き輪がひとつ・
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ハイヒール脱ぎ捨てて闇を叩いてるあの子が欲しいのはその愛じゃない・
2
あの子が着てる
Ꭲ
シャツのロゴ調べたらわりと前向きな意味だったな・
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あの人はゴッホが描いた向日葵を一本持ってどこに行くのか・
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メリーゴーランドの馬が夕立のなか駆け出した きみの町まで
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嘘みたいに真っ赤な林檎差し出されて噛ってしまう もう戻れない・
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叫んでも走ってみても海は海 ぼくがひとりで思ってるだけ・
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いっさいは過ぎていきます繰り返し目覚めるうちにもう朝顔が・
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窓ガラスが割れて輝き出すようにあの子は泣いた なんかよかった・
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とてつもないことばかり考えながら素麺を食べ続けてる夏・
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そんなことあるわけなくてもう一度反対の手でカードをめくる・
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この主人公の気持ちを10文字で答えよ「つよいジンジャーエール」・
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スマートフォンのひかりをぎゅっと握りしめ理由めいたものをさがした
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「終わりだね」そう言ったあと残ってた花火に気づいたけどもう終わり・
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真夜中に物置小屋が燃え上がる あの日を思い出したばかりに・
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明け方の南南西の強風にぼくらの秘密が暴かれていく・
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夢の中へ夢の中へと手を引かれ工事中の遊園地にいた・
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リュックの中から混沌がこぼれ落ちてなんかまばゆい夏の、真夏の・
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とりとめのないことばかりしゃべる午後 スペースデブリしずかに燃える・
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