Utakata
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手札事故
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思ってもいなければ詠む必要もないそらごとを無理やり歌う
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実践
(
プラクティス
)
・
業としての夜
(
プロスティテュート
)
・
冥界の春
(
プロセルピナ
)
・
書かれ得ぬ声
(
プロソディー
)
・
加料鋼琴
(
プリペアド・ピアノ
)
2
土色のシェヘラザードを抱き上げて赤いりんごをひとつ放った
3
ふと
私達
(
ぼくら
)
は赤の他人でありながら互いが
兄弟
(
しまい
)
なのだと、思う
1
妹御
(
いもとご
)
の骨つぼのごと白き腿から目をそらす 死者の教室
1
擦過傷よ もう歌うな おれの昼をこの家の誰も眠るのだから
1
唇は割れてプラハの
窓
(
フェネストラ
)
乾いた朝の異端審問
3
お前たちがどこにいるか教えてやれ
mighty trumpet
(
強えラッパ
)
に酔え
狂人ども
(
フリークス
)
2
重い戸を開け暁光を過ごすにはウォトカの熱が喉に足りない
4
言わぬ語を決めて地声に化粧して、まるで呪術のような息だね
3
捩じ切れた自律神経に挽歌を*冷たい
口づけ
(
ベーゼ
)
*始めよう儀を
1
冥界の狗よ赦さむ 泉たる
朕
(
わ
)
が友は漏る
盃
(
はい
)
を掲げよ
3
この部屋にすべてをおれは
所有
(
も
)
っている?―――部分的にそう(見つけられない)
2
あかんなあ。レンジで炊いた米二合 胃に詰めて また、昼や、昼。寝る
7
シュニトケもヒンデミットもオネゲルもないプレイリストを見ている
2
止まないかもしれない雨の一種である抑うつリアリズム仮説が降る
3
国も民もなけれどおれは王として立つと同時にそのように在る
6
「この国では成人だから」細い指で
長耳
(
エルフ
)
は毒を
喫
(
す
)
って咳きこむ
2
断薬と燔祭
catarrh
(
カタル
)
胎
(
はら
)
のない
性
(
せい
)
青いザクロ裂いた 冥界
3
あからひく興行/叩打 十畳にストリンジェンドする前臼歯
2
伝説性によって破壊されたもう一人の私 アクアタルカス
3
さて真木割く
脾細胞
(
スプレノサイト
)
抽り出して白衣のアントニムはサーベル
3
モカ錠のようには きみを
我條脷度
(
このしたに
)
のせてのみこめないよ ごめんね
3
六色の地殻かき混ぜ
底面十字
(
クロス
)
から
一層ずつ
(
レイヤー・バイ・レイヤー
)
法で積む
2
此の
料理
(
レシピ
)
は多量の
唐辛子
(
チリ
)
と
葷辛
(
ニンニク
)
と
無気力
(
アパシー
)
の
意麺
(
パスタ
)
腸臓
(
ハラ
)
に障るぞ
6
狂い踏む音列の名は
利己主義
(
エゴイズム
)
110
・
2^n
(
ひゃくじゅう に に をいくどか かける
)
5
定型詩の職分 灰皿の羽虫 オンライン不死鳥の明滅
3
ぬばたまのラクドスアグロかごめかごめ いのちの軽さ
焚
(
く
)
べていく音
4
鹵獲せし
AK
砂漠 駆け慣れぬ新兵
人間工学
(
エルゴノミック
)
マウス
3
私達
(
wa.tash.tach.
)
の
閉音節
(
hei.on.sets.
)
まみれの日本語には字余り
くらい
(
krai.
)
が似合うみたいね
4
現実とゲームの区別つかなくて手札事故などと名乗っている
2
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