家来    フォロー 65 フォロワー 51 投稿数 136

ゼクシィを仮想敵とし毒づいてこの不自由な自由を呪う 

機関車はト音記号か有蓋車無蓋車たちの刻む音楽 

にんげんの数だけこみゅにけいしょんのやりかたがあり困惑がある 

家家はそれぞれのの灯をともす黄色のまどにオレンジのまどに 

灰色の「こんなはずではなかった」の雲のなかにもささやかな虹 

素直さを強いる相手に唾を吐く私でいたい素直なままで 

ふるさとの土を踏むたび蘇る性衝動と詩へのあこがれ 

鏡などもう見たくないふりむけば血走った眼がわたしを睨む 

今ここに過去も未来もなにもなく今、今、今と今が在るだけ 

へいたんなきみどりのなかあるく夢ここは絵本のなかの草原 

めいていの底とうめいな瓶の底透かしてひかる非常口の灯 

背後から呼ぶはわたしの亡霊かもしももしもと泣いている声 

ここにいるわたしを選び生きてゆく選ばなかったまぼろしを連れ 

何度でも往復すればいい何を欲しかったのかしたかったのか 

瞬きにひらめいた火は降る星か ただ街灯を掠めゆく蛾か 

男性を愛するあなたその眼にはわたしがどんな色に映るの? 

我思うそう思うのもまた我か自己言及の無限増殖 

満月はなるべく見ないほうがいいあなたの眠りさまたげるから 

古い血を抜いた肢体を横たえて仮死状態で明日の陽を待つ 

主語および目的語さえ用いずに自他の別をも融かす民族 

自己と他者過去と未来の区別すらない新しい世界の知覚 

ことのはが五や七求め漂えばただちに逮捕短歌禁止法 

血の地図を辿るとちゅうで湧き水のこんこんと湧くほとりに憩う 

「ぼくたちは遠い親戚なんだね」と夢で出会った少年は言う 

あか、みどり、とりどりの服とり替えてとり憑くものもわたしの虜 

その色をきれいと思うそのままにおんなじ色にわたしよ染まれ 

生涯に一度の魔法いまここでどうか私に見惚れてほしい 

感受性豊かな子らを乗せた舟乗れない子らのまなざしを背に 

さっさっさすたこらさっさとおいかけるきみのいやがるかおがみたくて 

ばらばらにちらばる記憶繫ぐべく星座の柄の日記帳買う