猿かぶり
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今はもう ここを去る事望まぬと 悔(くい)や憂いは多少あれども
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夕暮れの空にぽつんと細い月 痛々しいほど消えそうなほど
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冬越しの白菜終わり野沢菜の塔立ち待ちて青菜三昧
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若い頃(むかし)はね 世界の終わりに誰といる?と思える余地があったものよね
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有り余る時間と切れる鎌あれば 嫌いじゃないよ草取りだって/あれば、ね
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山芽吹き新緑前のとりどりの淡きみどりを飾り置けたら
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たくあんと野沢菜漬けの桶洗い 冬の始末がひとつ終われり
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漬け樽をひっくり返すと転(まろ)び出た たくあんお前 まだ居たのかい
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花の芽を野鳥に喰われポツポツと咲く桜花これもまた良し
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柱時計 壊れて知った我が町に 修理する時計店(みせ)減っている事
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母の年齢(とし) 越して今なら分かること 親の心と子とのギャップと
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残雪の田からカエルの声響き さすがにちょっと早か無いかい?
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春浅しサイドガラスで風に耐え羽を震わす蜂ひとつおり
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帽子かぶりベンチコート着てマスクして杉林下のゴミ収集場へ
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『春爛漫』買えずに未だ忘れ得ぬ 銘の通りのこけしの笑顔/四〇年近く前の盛岡駅で
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キツかった ウエスト少しユルくなり 「痩せた?」「いや違う」『ゴムがのびたの』
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花粉なのか黄砂なのかは知らねども 今日も車にザラリ張り付く
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家裏の雪よ秋まで解けないで さすれば夏も涼しかろうに/雑草も生えないし!
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涙腺をティッシュで押さえ目薬がジワジワジワジワ 広がっていく
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凍み渡る雪原(ゆきはら)の上(へ)の獣(けもの)足跡(あと) 辿りてゆけば水辺に着けり
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表裏 裏の表のまた裏と 聞きたい事だけ耳を欹(そばだ)て
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赤と黄のポール折れたり曲がったり 君にも厳しい冬であったね
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燻炭を撒いて融雪促すも 新雪積もって元の木阿弥
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黄砂来て薄汚れたる雪原を 染め直せるか如月の雪
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雪国の春雪原(せつげん)の凍み渡り これに勝る愉しみは無し/異論は認める
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庭の雪に巨大な氷柱(つらら)を突き刺して「勇者の剣!」と異世界ごっこ
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雪壁に 小さき氷柱(つらら)群れ集い 崩されて音(ね)は清明に響く
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つかの間の 陽に照らされて 木々の枝の 雪落つる様に 春を夢見る
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恵方巻 ばっさり切って皆で分け だって色々食べたいもんね?
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トヨの上を滑り落ちゆく雪のように 飛んで行けると夢想した頃/子供の頃 屋根の上で
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