ひらつかちどり
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俵万智さんの「生きる言葉」を読み、その本の中で紹介されている俵さんの師である佐佐木幸綱さん監修、「心の花」編集部著の「知識ゼロからの短歌入門」で短歌勉強中です。日々の雑感、短歌、読書のブログを開設しました。(2026/8/30)https://ooyamasanta.hateblo.jp/
ハンドルネーム、他の投稿サイトと同じく、ひらつかちどりに改名いたしました。

冷房の吐き出す熱が溶かしゆくアスファルトのなか沈みゆく吾
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ビーサンでギコギコ回す自転車や潮風はこぶサンオイルの香
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水平線切り裂くように風を受けミズナギドリは鳥山となり
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七夕を明日に控えし記念日にサラダ盛り付け銀河を見上ぐ
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死神と貧乏神は隅にゐて年金支給日けふも越えたり
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網棚に忘れし鞄見つかりて熱海駅まで吾も運ばれ
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雨の日の特異日なのか七夕の逢瀬のそらに衛星よぎり
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紫のネオンサインをやり過ごし今日も炭火の煙をくぐり
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庭先に錆びた自転車鍵もなく娘と吾とがたまに乗ったり
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熱帯夜ケーキの箱の保冷剤バスに揺れてはカチカチと鳴り
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お湯がさき芋焼酎のかほり立つ瑠璃の切子の一つ余りて
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弟とページを繰ればサバンナの匂いを運ぶ図鑑の中よ
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フイルムを巻き上げるたび増えてゆく吾子のひと日とカメラ店ゆく
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左手の小さな火傷気にもせず惣菜を揚ぐパートの母よ
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手鏡の我は口角あげられず福笑いめく表情筋
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こぶりなる紀州みかんを有田(ありだ)むき孫はまねする炬燵のむかい
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橋渡る背(せな)を押したる海陸風ペダルを踏めば空飛ばんとす
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セイコーのクォーツ時計目にすれば父と訪(とぶら)ふ入学の朝
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働きものの母がゐて働きものの父もゐて貧しかりし日々
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夏の夜の高原に見し天の川吾子の肩抱くほんたうのさち
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雨やみてベランダの闇うすれゆき月満ちてゆく水無月の宵
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法事終え位牌が戻る仏壇に幾すぢもの香煙ゆらめく
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雨はやみ歩きはじめにポケットの硬い四角は傘立ての鍵
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夜も更けて無人の派出所過ぎゆけば血豆のごとく腫れる赤灯
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何枚も死亡届をコピーして何度書けども複製せぬ母
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寄せ書きに感謝の言葉並びをり母を看取りてまた読み返し
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遠浅の海に竿振る父がゐて 世話焼く母はフライの仕度
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雨もよひ慈雨待ちわびたあぢさゐの小径でせなを押されてをりぬ
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ミシン踏む母の背中は揺れており 針折れぬよう息をひそめて
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髪を切り白髪染めるは孫ほどの  美容師の手そっと母に触れ
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