鵠(くぐい)
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生活感のない短歌。戯言の収納場所です。Xを更新しています。

マゼランの星で見上げた惑星のコンビニで買うアイスはみっつ
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地球ではすでに失われた星座の星からきた留学生だ
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白鼠の浴衣をまとう君は言う「ふたりで金魚を育てようぜ」
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擬人化が好きなんじゃない本体のままからきみに惹かれていたよ
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唇と頬にさすBOSS気に入ったものだけ持って海を見にいく
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通り雨の余韻として香りたつ梔子と君の「ごめん」が
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黒蜥蜴でつくる棘のアイラインでギャングスタアにでもなれるわ
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走馬灯のワンシーンにアガペーを誓った夜の雨の冷たさ
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健やかに生きていくことをやめた日にトイカプセルをよっつまわす
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俺はただ陽射しのような瑞獣になって貴方を護りたかった
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あなたからもらった詩集を焚べた夜 愛していたのほんとうのこと
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悲しみに濡れないように雨傘を今度は俺がさしだす番だ
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桜桃や仏花にとまる揚羽蝶。今日は祝福する命日だ。
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墓石の「太宰治」に桜桃をねじこんでいく奇祭だった日
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「酸性」と紫陽花の青をゆびさす理科部を辞めたクラスメイトは
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校内をジャージで過ごす中学で私は緑の蛹だった
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個人的な美術館をつくりたい。これが理念のアカウントです。
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捧げます。どんな色にも染まらないあなたのもとへ黒い一輪。
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たむけます。どんな色にも染まることのできたあなたへ白い花束。
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渋々とKILLERQUEENを歌ったあなたの声は冬の湖
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私たち脱皮不全の蛇のよう校章ついた制服を着る
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抱きしめる 私と同じシャンプーの香りがしてる髪に唇
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シャンプーのイランイランが鼻先をかすめたときに初恋でした
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耳朶を刺すファーストピアスの輝きに寄る辺ない私をあずける
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きみのため桜の枝を摘んできた花はさらに短命になった
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病室で自分のことを老いぼれと笑うお前を離さないから
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中古とは歴史が深いとも言える海にアクスタをかざしてみる
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花束を抱えて走る 病院の禁止を越えてお前に会いたい
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恨み言 栄えある最後の十個目は「お前のせいで哀が止まない」
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じっとりと今年の夏がやってきたてのひらにのるギアッチョがいる
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