Utakata
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ほっとけば群れて分かれるものらしい色を揃えたりもするらしい
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社会性、その完成度を語るなら蟻の足元にも及ばない
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お互いにパニック映画のモブとして逃げてゆく方向が違った
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概念を撃ったが個体くらいしか死ななかったという事例集
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いや、王よ、殺したいのは別にそのあんたっつう人間じゃないんだ
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気づいたら「国民」にされていたこと 割られて赤く散る西瓜の身
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国があり王がいるこのクソだりぃゲームの中の朝に目覚めた
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とりあえずあなたはいるということに、そして世界はあることにする
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私は、と言うのはいつもおまえからずれ出しているおまえなのだよ
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情報の砂塵にかき消されながら、とはいえそこにいるらしい人
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折りたたみ可能なようで一定の体積を占め続ける体
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まだ雨が降る世界だし まだ一つずつ壊れうる個体があるし
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私という何かしらがある幻想を維持するために昼飯を食う
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しかしその血を数分間止めたなら復元不可能になるデータだ
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言葉という街の埃に似たものが降り積もりある日私になった
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どのへんを爪で剥がせばいいのだろう 視界ではない世界が見たい
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どこまでもここから遠い身体に比喩として手をさしのべている
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身体があなたとわたしを絶対に隔ててむかいあわせてくれる
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笑うしかないほど解りあえないが人がいるとはそういうことだ
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霧さえも見えていないということを互いに指摘しあって笑う
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そう、ちょうどリモートでつながりながら誰も外には出られない部屋
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一通り娯楽は揃った四畳半のような脳に住み慣れている
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今ひとつ使い勝手のわからない脳だと私の脳は言います
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この肉塊、まあね、そう言うお前らもさらなるその一部分なんだが
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また突然砂漠の画像を映し出しメモリを浪費している脳だ
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生むことは酷なことだがやむを得ぬことでもあろう 星が流れる
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たくさんの動き続けるものを見て、人でなくてもいいと思った
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今日もまた誰かが人を産み、そして迷路は狭く広くなるのだ
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物質であって私であることをわれわれはまだうまく言えない
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脳内を流れやまないこれもまた物質ではあるのだろうけれど
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