しらすごはん
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今生の 別れのごとく しがみつく 吾子も幾年 人の親へと
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凄いねと 褒められてもね さみしくて 宛名違いの 葉書が届く
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ソファのうえ スズメが朝を 呼んだなら 連続してる 今日が始まる
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丘の上 罪なき子らの 亡き骸に チウネの子らよ 我を重ねよ
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シゴ出来で 隙を見せない キャラなのに 親指覗く 君の靴下
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朝一で 読者歌壇の うたを読み 我も一首と 湯船に浸かる
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雨雲が 微かに映る グラス越し 滲んで見えた 君の横顔
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薄まった アイスコーヒー 飲み干して 席を立つのは いつも君から
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軍事費を 他の何かに 使ったら 大概のこと 片付くかもね
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水無月の 帰り支度の 更衣室 汗拭きシートの 匂いに咽せる
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袖口が まとわり付いた Tシャツを アジサイの風が 吹き抜けていく
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梅雨まえの 房を整え 夏支度 チョキパキパキと シャインの散髪
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めいめいに 三十一音(さんじゅういちおん) 交わしたら カチカチのチョコ ゆっくり溶けた
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仕事終え 蛍光ペンを はしらせて 中二の君に 今会いに行く
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米騒動 遠く離れた 丘の上 配給拠点に 鉄の雨降る
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幾万と 欠けては満つる 月の夜 繰り返しては 歌は詠まれて
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むすやばい くすりもらった しごとさがす 寄るべなき母子 なき者とされ
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かの戦火 故国を追われた 無辜の人 母の辿りし 道と重なる
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二人きり 次女と挟んだ テーブルで ナイフの音だけ 饒舌になる
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葬送の 朝に雨戸を 開けたれば 流れるひとの 絶えることなく<
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忍び足 布巾をめくり レンジして ソファの寝息に 片手で詫びる
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ゴミ箱に 高級チョコの 包み紙 下に押し込み 証拠を隠す
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真夜中の 市営プールに しのびこみ ハダカになって 短歌を詠んだ
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観覧車 ぐるりと廻って ゴンドラを 降りたら君に さん付けやめる
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白い杖 黄色い線を コツコツと 改札出るまで 背中を追って
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雨催(もよ)い ペトリコールを 嗅いだなら 銀輪の子ら 蜘蛛の子になる
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どの本も あとがきから読み 先まわり 他人(ひと)の靴では もう歩けない
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何にする なんでもいいと 返されて 買い物カート 所在なく押す
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何にする なんでもいいと いうあなた そんな名前の 料理はないの
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遠い日に 母の教えが 装られた 夕食(ゆうげ)の茶碗 子らに引き続き
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