南野繍眼児
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ミナミノメジロ

鍵を閉め忘れてないか心配し夏が戻ってくる小走りで
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水道の水で食器を洗うときだけは夏とも仲良くなれる
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いつ死ぬか分からないから真夏でも冬のラブソングを歌っとく
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ドッキリの看板を持つスタッフをいつまでも待つだけの人生
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「二十五を過ぎたら死ぬしかない」という歌詞に私は生かされている
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謝ってばかりの人生だったから「先立つ不幸をお許しください」
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「遺書」という題のデータを削除する最後に開いてから三年
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若いのに・・夢も希望もない命。「若いから・・大丈夫」ってなに?
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ぎっしりと中身の詰まったベーグルに負けた気がしてよく噛んでみる
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自己愛を削ぎ落とされた肉体は適正よりも10キロ軽い
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幼子が野菜をける無邪気さで私は社会から弾かれる
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「絶対に消えないものに依存したい」検索結果 もしかして:神
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二番線ホームの点字ブロックは現代社会の黄泉比良坂
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暖かな日差しの下で鼻をかむ回数が増え春はもうすぐ
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人生はマラソンみたい。苦痛だし、終わりばかりを考えてるし。
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醜さを直視するのが怖いから手鏡はまだひび割れたまま
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すっぴんのままで世界は美しく雪化粧など鬼に金棒
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「何事も続かない」ただそれだけが二十五年も続いてしまい終い
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君からのもらいあくびで年が明け今年最初の涙になった
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過呼吸の俺を尻目に闊歩する俺より人に慣れている鳩
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定型の社会を逸れた誰かわたしにも短歌はそっと寄り添っている
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「生きているだけでいい」って言う人が詐欺の容疑で起訴された朝
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人間が踏み荒らしたる地の四葉 身勝手で無責任な「幸運」
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「NO」と言えないわたし見て首を振りながら嘲笑わらっている扇風機
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交番の巣から飛び立つ燕あり都内の交通事故死者は無し
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通販の到着日時を指定するとりあえず三日間の延命
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ODもリストカットも世間での「自分らしさ」の輪には入れず
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飛び降りを防止するため国民に翼が配布される日曜
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深夜でも律儀に信号守る君 夜が明けるまであと三歩半
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バーコード読み取る機械にリスカ痕かざしてみれば「価値なし」とだけ
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