Utakata
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無兎
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気ままに詠みます。
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天つ風に託す歌さへまとまらずただ君思う茜空かな
2
檸檬にも本の匂ひは残れるや触れあふ点の刹那の
縁
(
えにし
)
2
本の上無為に置きたる檸檬にも定まる点の必然やあり
4
旅先の君がノートに書きとめぬ夏を小さな歌に留める
3
旅先の君のノートを飛び出した君を留める夏のコラージュ
1
空にある人の軌跡を映しつつメダカの鉢にメダカは泳ぐ
3
雑踏のノイズに波を同期させ僕は密かに鯨と話す
7
きんぎょ
展
(
み
)
に日本橋まで行く夜はフィッシュテールのスカートにする
6
蝉鳴かぬファッションビルのバーゲンは「もっと変われる七日間」とぞ
4
月の
暈
(
かさ
)
広がる空の真中には向かうへ続く隧道やあり
2
美
(
は
)
しき罪左右同じき文字なれど罪はいくらか偏りてあり
2
ゴメンねと舌出して言う幕切れもわが王国の風物詩かな
1
白き鳩撃てと命じるわが王は魔弾の行方つゆも知らずに
3
言の葉の密なる青の結晶を君と静かに育てる愉楽
3
三度目のスヌーズ鳴りぬ僕じゃない僕の意識に起こされて立つ
2
窓越しの庭の緑を逆光にアンスリウムのシルエット立つ
1
ぬばたまの夜の窓辺を我がものに何を見やるや檸檬の瞳
1
夏の月せめて檸檬の香りせよ醒めない街の夢にあるなら
6
降るほどに星の鼓動を近く聴くふたつの生死あはひ揺れつつ
1
忘らるる夢のかけらは海溝の闇の御空に 白く舞ひ降る
1
海溝へ降りゆくときはドビュッシー月の光をララバイにして
4
君の詠む星のかけらの歌歌がシロナガスクジラにのまれゆく夢
2
海のかけら
(
シーグラス
)
漂ひし夜の月光は見つむる君の追憶になる
2
指先は優しく触れて響かせる真夜をみたした グラスハープを
1
みづ色の歌の
破片
(
かけら
)
よシーグラス透きとほる性うちに秘めつつ
5
かざらない白のクイーンをとり上げて青きセージの海に置きたし
2
広重の線の雨ふる五反田を肘笠にして走るワイシャツ
1
背にのせたおやゆび姫の吐息さえ奪えぬ旅よツバメ天飛ぶ
3
オキーフの画は神々しくも懐かしく胎児の記憶ふと呼び覚ます
2
影にさへ光もとむや水芭蕉野辺の不軽の光背白し
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