バーコードさがしてはやく読みとって『犯人はお前それともわたし?』
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来世では魚になって水槽の中をふたりで泳ごう ずっと
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コピペして使へるSUDOコマンドの由来におどろくその便利さにも
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月明かり星の煌めき俺たちは定義付けないと何も見えない
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左手の傷を目にして右利きと思う私もあなたも普通
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神様を呼ぶにはかなりちっぽけな悩みだからさ聞いておくれよ
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生物が惑星よりもいるという地球ほしでうじうじ悩んでる
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いくつもの言葉が頭を散らばって収拾つかず今日も眠たい
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「Keep On One LoveだからKOOLだよ」ピッタリだから思い出してた
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髪を切る行為で私なんかでも生きてることを肯定できる
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植物が枯れたら猫が死ぬよりも悲しくないか頭をよぎる
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この地球ほしが眠りにつく日まで終わりない話をし続けようしたい
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吸うと浮き吐いたら沈むこと何度確認したら気が済む湯船
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垂れ下がる下着のホック命綱にして私は船から上がる
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触ったらヒヤリと冷たく突き放す午前六時の冬のステンレス
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次会う日きみは笑ってくれるかな 手首に当てたカミソリを置く
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博多駅平日なのに人集り人の流れに飲み込まれそう
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星になどならない人を標にし 迷うことすら幸福だった
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いつの日かあなたと出逢う 僕たちがいない庭では子犬が走る
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いい加減疲れるのよねこの仕事そういう君に冷や酒を注ぐ
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あり得ない話しは聞きたくないなどとなぜ言い放つぼくの気持ちに
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恋歌をつづってばかりの短歌見て紫式部の姿を想う
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噛み切れぬ想いはだんだんずっしりと背中に回りて重さ増したり
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この季節食べたい魚は鰤か河豚ひとまず割烹にでもいそいそ
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動かない ストーブのそば はなれずに 右側だけが ホカホカの猫
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知りたくもなかったそんなの今頃に恋愛感情なかったなんて
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うっすらと路面に積もる雪が溶けその上にまた降り積もりたり
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バガボンド寝転びながら読み耽る弟叱る疲れる姉は
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雪積もる路面電車の屋根の上もうヒーターも入っている頃
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雪華落ち見上げる顔に降りかかる冷たさ少し爽やかに溶け
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