B型人間
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最近思うことがあって定形歌を詠むようになり、Utakataも再開することにしました。よろしくお願いします。

哲学の書物を床で読みふけり我は誰ぞとながながしき夜を
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歳月を重ねて我は変わりけり何かは変われど何にか変わらむ
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文庫本続きを読まんと手にすれば栞落としてぺしゃんとなりぬ
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春雷のごうと響きて雨激し黒黒き夜に花は散るかや
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ひょっこりと手紙が来たり田舎から孤立無援は一時休憩
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何処となく心寂しき時ありて街を彷徨い手ぶらにて帰る
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毎日は砂噛む如く過ぎにけり時計の針に背中追わるる
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来し方を想いさらさらい寝られずブルーの切子グラスは濡れり
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濁世の怒りひがみにとり憑かれ般若となりぬ愛し我が妻
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俗物が歳をとりたり恥もせず餓鬼らに叩かる河原のすすき
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一面に敷き詰められたる大理石縞の流れをざっと横切り
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真夜中の孤独の中に沈潜す心臓いよよしっかと脈打つ
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境内の空気は薄し潜まりて弥勒菩薩のわずかな微笑
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哀しいかそんなにお前が哀しいか 動いてて居よ じっとして居よ
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あてどなく夜を彷徨よい柏尾川水の流れをじっと聞きとる
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朝ぼらけ社をまもる狛犬が左右から問うお前は誰か
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燗冷まし手相を眺むつくづくと運命線は太く延びたり
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梅を見つ花匂やかに咲きいたる見事なるかなその身繕い
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人生に不要な諧謔を排した静謐で恩寵のような歌をうたう
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苦しみとふ概念を知らぬ愚かもの苦しまずして莫迦になりたし
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蜃気楼上に屹立するバベルの塔を想像する脳髄か
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今日は今日明日は明日ポジティブに生きよと君は簡単に言う
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生きているという実感が湧かない生の苦役いつか爆発する風船玉
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迸る雨にやられて濡れ鼠圧倒的なる孤独感かな
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時にふと昔のことを思い出すあれはあれにてあれ以外なし
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赤光に影伸びたりて夕餉どき宛先のない荷物となりぬ
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風に舞う一枚の葉の身の軽さ翻弄さるるは生まれあわせか
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ちらちらと真白き星に胸圧されつつ息を吐きたり十五歳
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顔のない男と女絡まりて二度とは逢わず朝の喧騒
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古書店のすえた匂いの垂れこめて奇術の本を買い求めたり
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