梅林 冬実
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コンビニの コーヒーひと口味わって  退勤まで こころの逃避こころみる
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ただいまと 吾子の声がし おかえりと  言ってほほえむ 時が愛おし
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樹々風がなで 音かなで  時きざむごとに 春めく住む街
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赦すこと 覚えて初めてひととして  生きらると感じた 若葉のころ
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ときをこへ 春雷に覚えるあのときの  君の言葉が この胸めぐる
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つくしんぼ 野原に顔出し春思ふ  季節はひとより 君が知るもの
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制服に 別れを告ぐるそのときは  君の未来を 必ずやささえ
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碧一面 浮かぶ白に春思ふ  太陽の輝き 日毎に増しつ
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深更には 鳴らぬ音聞こゆ刻がある  天女の衣や 天上の湧き水や
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あかいろが ぎゅっとつまった苺の実  摘まむ幼子の まなざし愛らし
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オレンジが 水面を散らして 沈みゆく  燃える太陽 海は抱きしめ
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むかし来た ファストフード店 今もなお  シワしみ増えた 私らもなお
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自販機の コーヒー落ちる音を聞く  夜明け前じき 明ける路の上
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うつくしい 人は自身を美人だと  言わぬものだよ 同窓生よ
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東風吹かれ 草花芽吹き 春を告げ  桜咲くころを 焦がれつつ待つ
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実芭蕉よ お前はどうして こんなにも  旨いの甘いの美味しいの
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夕立が アメジスト色に染まる日は  帰り道少し ゆったり歩く
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なだらかな坂 上りきってふりかへり  菜の花とまる てんとう虫にご挨拶
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珈琲の 香り楽しむひと時に  先人たちの かたりが色添え
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春霖うるわし 朝のとき  窓越しに見ゆ 葉打たれしさまを
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筍を 炊けといふから炊いたけど  腹持ちさせんと 唐揚げも添える
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サバを焼き 白飯を炊き 御御御付  日本に生まれて よかったわ
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みだれ花 とりどりの色 街に挿し  春の音色に 心躍らす
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真白き雲 見上げて浮かぶ青空に  昔日の想いを 滲ます午前
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春の候 指先菜の花に染めてみる  好期到来 願いを込めて
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幾度めかの 宣言チラ見で応ゆ君  今度こそ本気と 絶つ炭水化物
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春のかほり 纏いつつも北風は  南へ西へ 縦横無尽に駆け散らす
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散歩道 脇にそっと咲く菜の花の  かほりにいざなわれ 踊るミツバチ
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ふりかけが 万遍なくないおにぎりは  あの子の手のひら 思い浮かべるに佳し
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夜眠り 朝も眠り 昼眠る  豪気な眠気が 腑に落つ三月
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