Utakata管理人です。四季の移り変わりと自然を題材にした歌を作っています。
鯉などのゆっくり泳ぎゆく池のめぐりをもっとゆっくり歩く 48
揚羽蝶はばたきをやめ降りてくる風のながれのそのままの軌道 32
ささやかな色をのこして紫陽花の花 夏の陽に乾きゆくころ 28
紋白蝶に指さしだせば触れそうで触れない距離をひるがえり ゆく 27
色づいた木の葉を透いて冬の陽は山茶花をあかるく照らしだす 25
アメンボは水の流れにさからって泳いでは同じ場所にもどって 14
しらじらと咲く百合の茎縫いとめて小さな蜘蛛が巣を張っている 14
あおあおと夏の蓮の葉かたむいて風のかたちを記憶していた 34
いろいろな椿の花が咲いていてどの花もすこし傷ついている 29
枯れてゆくコスモスの花たっぷりと花びらだけが潤っている 15
あざやかな色をのこして太陽がすこしだけ早く沈みゆくころ 12
とことこと身体の軸をみださずに扉のしたへきえてゆく ねこ 21
山吹の花びらのゆらめいていて風は風としてそれはそれとして 13
五月雨にささやかな影落としつつあなたとあなたの話がしたい 19
青条揚羽の青あざやかに閃いてあたらしい夏のおとずれを知る 7
しじみ蝶は絡みあい離れあいながら草々のさきにふれてはなれて 5
新緑の深まるときに蝶はたかくどこまでたかく飛べるのだろう 4