しじみ
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投稿数
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浦島は 地上が恋しくなったのか 「飲み行こう」ってLINE来てたよ
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駅までの道 繋いだあなたの手が冷たかったこと覚えておくね
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腕にある黒子を四つ指先で夜空を繋ぐようになぞって
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ゆっくりと ただゆっくりと歳を取り いつか猫又になれ愛猫
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わたしには独りになりたい時にだけ被れる透明の殻がある
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自分から撒いた毒で死ぬ草なのわたし生きる気力が欲しいの
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下腹部に眠る命の素たちはいつか他人になるのだろうか
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解ろうとしないまま眠る教室の隅に今でも私は俯く
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撫でる手に湿度と熱を感じ取る あなたのしたいことが分かるよ
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ただいまと帰ればおかえりのキスする 猫の鼻はいつも濡れてる
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ジャガイモは 私に命を救われて 冷蔵庫でピンと根を張る
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憧れの巻き髪 「憧れのままで良い」と 鏡に写る巻き髪
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空中を 俊敏に舞う婦人の手 井戸端会議の演出を担う
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久々に読みたい本があったから 週末新幹線で帰るね
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文字を書く 文になるほどくっきりと 過去完了を自覚する恋
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朝の駅 主観のレンズを通したら 生きとし生けるものにあるドラマ
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夏風邪の熱が引いたら、これまでの古い私が死ねばいいのに。
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ベランダの貰い煙草の火が揺れて これが花火の記憶でもいい
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「来ましたよ、元気を演出しなさいよ」夏の圧が降り注ぐ。暑い。
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天国で祖父は再び丸く肥え 野菜の馬は恐れ慄く
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知らないの? 冷たく言い放てる君は隣席全知全能の神
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気まぐれな猫になりたいはずなのに 喜怒哀楽が上手な尻尾
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知り合いに 優しい人が多いから 浸透圧で萎んでるだけ
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私から毒気を吸って膨らんで 膝の上で猫はまるまる
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公園の 日に焼けた子の腕2箇所 爪の十字架 夏の刻印
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眠たげに構える温かなてのひら 子犬よろしく撫でられにいく
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さまざまな眠たい顔を乗せ走る 始発中央線堕落行き
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毛羽だった紐の先端手に取って結んで私のものにする本
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