Utakata
登録
Login
しじみ
フォロー
12
フォロワー
13
投稿数
65
« 最初
‹ 前
1
2
3
次 ›
最後 »
新品のノートに綴る初めての言葉みたいに大事にさせて
10
吐き出した煙の中に今日の靄 等価交換肺の黒ずみ
8
大丈夫 この世の全ての人間は着ぐるみを着て生きているから
32
点でなく線で繋がる人生の因果すべてを抱きしめたいのに
7
調べればできるのに聞く母親の会話の中に愛を見つける
9
浦島は 地上が恋しくなったのか 「飲み行こう」ってLINE来てたよ
13
駅までの道 繋いだあなたの手が冷たかったこと覚えておくね
8
腕にある黒子を四つ指先で夜空を繋ぐようになぞって
8
喉の奥震えて詰まる夕暮れに心のありかを見つけてしまう
8
ゆっくりと ただゆっくりと歳を取り いつか猫又になれ愛猫
16
わたしには独りになりたい時にだけ被れる透明の殻がある
8
自分から撒いた毒で死ぬ草なのわたし生きる気力が欲しいの
5
下腹部に眠る命の素たちはいつか他人になるのだろうか
7
解ろうとしないまま眠る教室の隅に今でも私は俯く
7
撫でる手に湿度と熱を感じ取る あなたのしたいことが分かるよ
5
ただいまと帰ればおかえりのキスする 猫の鼻はいつも濡れてる
10
ジャガイモは 私に命を救われて 冷蔵庫でピンと根を張る
9
憧れの巻き髪 「憧れのままで良い」と 鏡に写る巻き髪
4
空中を 俊敏に舞う婦人の手 井戸端会議の演出を担う
6
久々に読みたい本があったから 週末新幹線で帰るね
11
文字を書く 文になるほどくっきりと 過去完了を自覚する恋
10
朝の駅 主観のレンズを通したら 生きとし生けるものにあるドラマ
7
「最後なの?」「これで最後だよ」とこぼす きのうの涙を無に帰す口付け
5
夏風邪の熱が引いたら、これまでの古い私が死ねばいいのに。
10
ベランダの貰い煙草の火が揺れて これが花火の記憶でもいい
7
「来ましたよ、元気を演出しなさいよ」夏の圧が降り注ぐ。暑い。
7
天国で祖父は再び丸く肥え 野菜の馬は恐れ慄く
33
知らないの? 冷たく言い放てる君は隣席全知全能の神
4
気まぐれな猫になりたいはずなのに 喜怒哀楽が上手な尻尾
12
知り合いに 優しい人が多いから 浸透圧で萎んでるだけ
6
« 最初
‹ 前
1
2
3
次 ›
最後 »