蛙鳴
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カッコウの声のこだます高原に雛を亡くせるウグイスひとり/連作「カッコウとウグイス」2
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水にゐた豆腐たちはプラ箱に団地のごとく積まれて売らる
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気がつけば夕闇迫る繁華街 春風の気配今宵いざなう
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今年初ラジオは夏日告ぐるなり それもよかろう冷奴食む
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檻の中オランウータンお前もな職業欄には無職と書かる
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おおきみのために死ににし島人は見捨てらるるか海は青しに
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うりずんの海岸に満つ軍靴の音 夜風孕みし生温き臭ひ
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いつの間に小手毬の花咲きにけり今年無職の春を見つけし
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うりずんと島人の言う四月なり夕日沈めばさやけき夜風
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石段をただに登れば青もみじ葉裏に透けし人の思ひか
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まっすぐに見つめてくれる猫がいてモディリアーニの少女のごとく
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パソコンで仕事をすれば猫が来るキーボード打ち「となにみのてち」
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ラジオから「イマジン」流る昼下がり新聞伏せて目を瞑りたり
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隣家なるツツジの花は萎びれて独り暮らしの姿が見えず
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雨上がり空を切り裂くケリの声通勤の人バスを待ちをり
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デイサービス車見送る玄関に母の買ひたる紫陽花の鉢
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公園に真紅の薔薇が仁王立ち脚もと見ればおびただしき棘
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鈍色の空の隙間に薄き青すこし広がる水たまりの道
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飼育箱きみの世界でゆっくりとレタスの芯を食むかたつむり
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今朝はまだ鈍色の空 四月の日デイサービスに母送り出す
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たんぽぽの綿毛の群れに立ち止まり犬は喜び転がり回る
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ちょぴんちょぴん雨垂れの音 耳に添い明日は晴れて薫風吹くか
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緑吹く流れを泳ぐ鯉のぼり退職の身は風に任せて
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工場のフェンスの内のはなみずき四月の雨に花散りぬるを
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ざわざわと四月の雨の冷たきにいたち轢かれし道にそぼ降る
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街中の空き家棲み処となりたるや轢かれしいたち 子らのありしや
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街中に棲みにしいたち轢かれたり投げ入れられるゴミ収集車
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年金の金額知らす手紙くる庭の卯の花白き卯月に
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よーいどん猫が相手のにらめっこ また目を逸らす三戦三勝
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島の猫集まり来たる船溜り網を繕う老いたる漁師 
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